不飽和脂肪酸の効果

血中コレステロールの低下
コレステロールは血液や筋肉など体内に広く存在します。血中コレステロールの値が高くなると酸化したコレステロールによって血管の通り道が狭くなります。不飽和脂肪酸は肝臓のコレステロール合成を抑制する働きがあり、血中のコレステロール値の上昇を抑えるとされています。
動脈硬化の予防
動脈硬化は動脈の壁が硬くなり十分に機能しなくなることをいいます。細胞の内側にコレステロールが蓄積され血管が狭くなる状態です。不飽和脂肪酸を含む大豆や魚類の摂取は血中コレステロールを低下させ、動脈硬化の発症を予防します。
認知症の予防
多価不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸は脳のリン脂質の主要な構成成分であり、加齢によって脳内の量が減少することが知られています。高齢者は多価不飽和脂肪酸を補うことにより注意・作業記憶などの認知機能が維持される可能性が報告されています。
多価不飽和脂肪酸は加齢に伴う局所脳体積の減少を抑制し高齢者の脳の健康維持につながる可能性があります。
止血(生理活性物質の合成)
多価不飽和脂肪酸から合成される生理活性物質のトロンボキサンは血管収縮、血小板凝集促進、気管支収縮などの作用があり、血小板凝集は血栓を形成し止血を促進します。
心疾患
心疾患にはたくさんの種類がありますが食事に関わるものとして狭心症や心筋梗塞などがあります。動脈硬化が主な原因になりますが、血液の流れが悪くなると発症リスクが高くなります。
飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸におきかえることでコレステロールが減少し血管の流れが良くなり心疾患が減少したという研究報告があります。
不飽和脂肪酸の多い食品

魚
マグロやサバ、イワシはn-3系不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸を多く含みます。
アボカド
森のバターといわれるアボカドは一価不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含みます。
植物油
オリーブオイルやなたね油には一価不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含み、
ゴマ油やコーン油には多価不飽和脂肪酸のリノール酸を含みます。
大豆
「畑の肉」といわれる大豆はたんぱく質が主成分になります。
脂質も多く含まれており、その80%は不飽和脂肪酸のリノール酸やリノレン酸、オレイン酸です。
ナッツ
アーモンドやヘーゼルナッツは一価不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含み、
くるみにはn-3系脂肪酸のα-リノレン酸が多く含まれます。

