不飽和脂肪酸が不足すると現れる症状

皮膚炎
日常的に目標量の摂取が可能であり、欠乏症は通常ありませんが、n-3系脂肪酸は、生体内で合成できず不足すると鱗状皮膚炎、出血性皮膚炎、結節性皮膚炎など皮膚炎が発症することがあります。
成長障害
通常の生活では不足することは希ですが、多価不飽和脂肪酸のリノール酸とα-リノレン酸の摂取量が少ない場合、成長障害が起こることもあります。
多価不飽和脂肪酸のリノール酸とα-リノレン酸は必須脂肪酸といい、生体内で合成することができないため意識的に摂取することが必要になります。
発達の遅れ
妊娠中、必須脂肪酸は胎児の脳や神経系の発育に関与するとされており、十分な摂取が推奨されます。
出生後も乳児は消化・吸収機能が未熟なため、必須脂肪酸が不足しないよう乳児用調整乳にはこれらが配合されています。
不飽和脂肪酸を過剰摂取すると現れる症状

体脂肪の蓄積
不飽和脂肪酸は健康によい脂質として知られていますが、過剰に摂取するとエネルギー過多となり、体脂肪の蓄積や脂質異常症の原因となることがあります。適切な量の摂取を心がけることが大切です。
冠動脈疾患
心臓のまわりには冠動脈という血管があり、この血管がつまったり細くなると狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患になります。トランス脂肪酸は飽和脂肪酸よりもLDLコレステロール/HDLコレステロール比を大きく上昇させるため、特に工業由来のトランス脂肪酸は冠動脈疾患になりやすいとされています。
認知症
不飽和結合が1つ以上のトランス型であるトランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸に変えるときに副産物として生じます。
また、牛や羊などの半数動物では胃の中の微生物の働きによってトランス脂肪酸がつくられます。
トランス脂肪酸の一種であるエライジン酸の血中濃度が認知症と関連が認められています。

