不飽和脂肪酸の効率的な摂取方法

不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸が多い食品
一価不飽和脂肪酸ひまわり油オリーブ油サフラワー油
多価不飽和脂肪酸あまに油えごま油サフラワー油
n-3系不飽和脂肪酸まぐろうなぎさば
n-6系不飽和脂肪酸サフラワー油大豆油くるみ
不飽和脂肪酸と一緒に摂取すると効果を下げる栄養素・食品
高温調理によって効果が下がります。
また、光にも弱く冷蔵庫で保管し早めに食べきることが大切になります。
n-3系の不飽和脂肪酸は特に酸化しやすく、料理の風味を損なうだけではなく酸化した油脂は胸焼けや吐き気嘔吐、中毒症状などを引き起こします。
不飽和脂肪酸の効果を高める摂取タイミング
摂取する時間帯については、n-3系脂肪酸は夕方よりも朝に摂取すると血液中および肝臓中のトリグリセリド(中性脂肪)低下作用が効果的という研究報告があります。
夜は体脂肪を溜め込むたんぱく質(ビーマルワン)の分泌が活性化します。エネルギー消費が落ちて太りやすくなるため、脂肪の摂取を控えます。
効果を高める摂取方法は、n-3系脂肪酸は熱に弱いため加熱せずにそのままドレッシングのように使うのがおすすめです。
また、酸化しやすく液体であるものが多いため魚は刺身や汁ごと食べられる味噌汁やスープがおすすめです。
「不飽和脂肪酸の食品」についてよくある質問

ここまで不飽和脂肪酸の食品などを紹介しました。ここでは「不飽和脂肪酸の食品」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
不飽和脂肪酸のデメリットについて教えてください。
山口 恵里
脂質は、炭水化物、たんぱく質より1gあたり2倍以上のエネルギーをもつため、人はエネルギー蓄積物質として優先的に脂質を蓄積します。
体に良い影響が目立つ不飽和脂肪酸ですが、摂取量が多すぎると脂質異常症や高血圧、動脈硬化など健康を害してしまいます。
不飽和脂肪酸を多く含む魚について教えてください。
山口 恵里
エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3系不飽和脂肪酸が多い魚で、スーパーで手に取りやすい(毎日の献立に取り入れやすい)と思う身近な魚をランキングにしてみました。
①くろまぐろ
天然脂身生5.81g
背側と腹側の部分(トロ)にn-3系脂肪酸を多く含みます
②まさば
生2.12g
青背の魚はn-3系脂肪酸が多く、日常的に食べると生活習慣病の予防にもなります
③まいわし
生2.10g
血合い肉の割合が多く鉄も多く含みます
④かつお
春獲り生0.17g
秋獲り生1.57g
産卵期前の春より秋の方が脂が多いです
⑤しろさけ・べにざけ
生0.92g
n-3系脂肪酸が多いですが塩ザケには塩分に気を付けましょう
※数値は可食部100g当たりのn-3系不飽和脂肪酸含有量
まとめ
最後に、不飽和脂肪酸の特徴を理解して選択してみるとより食事が楽しくなると思います。
摂取する方法やタイミングも意識して取り入れてみてください。
脂質はエネルギー生産に関わる大切な栄養素です。なかでも不飽和脂肪酸は体内で合成できないものもあり食事から摂取しなければなりません。摂取量が多すぎても肥満や生活習慣病になるため適量の摂取が大切になります。
不飽和脂肪酸は種類ごとに働きがあり、適切な量を摂取することが大切になります。
不足することは希ですが、皮膚や発達・成長に影響し、過剰摂取では肥満をはじめ生活習慣病や脳に影響します。
日々の食事で回数を気にしたり、量を細かく計ることは難しいですが、月・水・金曜日は魚の日と決めて3食のうち1食は魚を食べる、油をひくとき毎回同じスプーンを使って少しづつ量を減らすなど無理なく摂取することが健康に楽しく食べるコツになると思います。
「不飽和脂肪酸」と関連する病気
「不飽和脂肪酸」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
血液・循環器の病気
心疾患
脂質異常
動脈硬化神経系の病気
認知症成長・発育
免疫系の病気
皮膚炎「不飽和脂肪酸」と関連する症状
「不飽和脂肪酸」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
動悸うつ肌荒れ
冷え性肩凝り
胸焼け参考文献
日本人の食事摂取基準(厚生労働省)
日本食品標準成分表2020年版(八訂)(文部科学省)
食品成分データベース(文部科学省)
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