インフルエンザA型とB型の違い

インフルエンザA型とB型の相違点を教えてください
インフルエンザA型とB型は、どちらも冬に感染しやすい感染症ですが、いくつかの違いがあります。
・症状の違い
A型とB型の基本的な症状は似ており、発熱・頭痛・筋肉痛・倦怠感などが見られます。
A型は突然の高熱(38度以上)と全身の強い倦怠感が特徴であるのに対し、B型は微熱(37〜38度)が続く傾向があり、消化器症状(腹痛・下痢)が現れる場合もある点が異なります。
しかし、症状の違いには個人差があり、A型で消化器症状がみられたり、B型でも症状が重くなるケースもあります。
重症化リスクはウイルスの型だけでなく、個々の健康状態によって決まります。
・流行時期の違い
A型は12月〜2月にかけて流行のピークを迎え、B型はその後の2月〜4月頃に流行する傾向があります。そのため、シーズンを通して感染予防が重要です。
・ワクチンの有効性
インフルエンザワクチンは毎年流行するウイルスを予測して製造され、A型・B型の両方に効果が期待できます。接種後2週間程度で抗体ができ、5ヶ月間程度持続するため、流行前に接種することが推奨されます。
インフルエンザA型とB型はどのように判断されますか?
インフルエンザA型とB型は、症状だけで判別することは難しく、医療機関での検査が必要です。
・迅速抗原検査
医療機関では、インフルエンザ迅速診断キットを用いてA型・B型を判別します。この検査では、鼻やのどの粘膜を綿棒でぬぐい、ウイルスの有無を調べます。検査結果は15分程度で判明し、市販のキットの多くはA型・B型の判別ができますが、発症直後ではウイルス量が少なく、正確な結果が得られない場合があります。
・遺伝子検査(PCR検査)
迅速抗原検査よりも感度が高く、ウイルス量が少ない段階でも検出できるPCR検査もあります。主に、より精密な診断が必要な場合に実施されます。
インフルエンザA型とB型は同時に感染することはありますか?
まれにA型とB型に同時感染するケースがあります。 しかし、A型は冬の前半(12月〜2月頃)、B型は後半(2月〜4月頃)に流行しやすいため、同時感染する方は少数です。
もし両方のウイルスに同時感染すると、症状がより重くなることがあり、高熱・倦怠感・消化器症状など、A型・B型両方の特徴を併せ持つ症状が現れます。
特に、高齢者・子ども・妊婦など免疫力が低い方は重症化リスクが高いため、十分な注意が必要です。予防接種や手洗い・うがい・マスク着用など、感染対策を徹底しましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
インフルエンザA型・B型は、それぞれ異なる特徴を持っていますが、どちらも適切な予防と早めの対策が重要です。手洗い・うがい・マスクの着用を習慣にし、十分な睡眠とバランスのよい食事で免疫力を高めましょう。また、発熱や倦怠感を感じたら無理をせず、早めに医療機関を受診しましょう。
編集部まとめ

ここまでインフルエンザA型とB型の違いについてお伝えしてきました。インフルエンザA型とB型の違いの要点をまとめると以下のとおりです。
インフルエンザA型は、突然の高熱を伴う全身症状が特徴の感染症で、感染後約1~3日間の潜伏期間を経て、急激に発症する傾向がある
インフルエンザB型は、A型よりも症状の進行が緩やかで、微熱または37〜38度程度の発熱が続く傾向がある
インフルエンザA型とB型の主な違いは、A型は突然の高熱(38度以上)と全身の強い倦怠感が特徴であるのに対し、B型は微熱(37〜38度)が続く傾向があり、消化器症状(腹痛・下痢)が現れる場合もある点や、流行時期の違いなどが挙げられるが、それぞれには個人差がある
感染を広げないためにも、体調がすぐれない時は安静に過ごし、周囲への配慮を忘れず、健康な冬を過ごしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
インフルエンザウイルス|専門医講習会テキストシリーズ
薬の窓口|岡山大学医学部附属病院薬剤部薬品情報室発行

