「胸膜炎を早期発見するポイント」は何かご存知ですか?医師が監修!

「胸膜炎を早期発見するポイント」は何かご存知ですか?医師が監修!

胸膜炎という病気を聞いたことはありますか?少し呼吸がしにくいと感じることや咳が出ることは、よくあることです。

ですが、胸膜炎はこのようなちょっとした症状が初期症状として出る可能性がある病気です。

悪性腫瘍の合併症として発症しやすい病気でもあるので、胸膜炎を早期発見することが、がんの早期治療につながる可能性もあります。

ここでは、胸膜炎の早期発見や予防のためにできることをお伝えさせていただきます。

※この記事はメディカルドックにて『「胸膜炎」の症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

郷 正憲

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)

徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

早期発見・予防

タバコと聴診器

胸膜炎の早期発見のためのポイントを教えてください

胸が苦しい・胸が痛い・息がしにくい・咳が出る症状を自覚したら、肺に何か問題が起きている可能性が強いでしょう。「気のせい」と軽く受け止めずに、念の為に病院で診て貰うことが早期発見の鍵を握っています。
特にどんどん症状がひどくなる場合は、なぜ不快症状が起きているのか原因を早急に確かめた方が安心です。感染症が原因で胸膜炎を発症している場合は、家族など身近な方にうつしてしまう可能性も否定できません。
また、心不全によって胸膜炎が引き起こされている場合、足のむくみが出ることもあります。ご自身の身体の変化を注意深く見守りましょう。

胸膜炎の予防の為にできることを教えてください。

胸膜炎の原因は多いので予防方法も病気の数だけあります。肺疾患はとても身近な病気なので、普段から肺に負担をかけるような生活習慣を改めることが予防につながるのではないでしょうか。
喫煙や飲酒も胸膜炎の危険因子なので、発病する前から禁煙や節酒を心がけることが大切な予防対策の1つになります。また、健康診断を定期的に受けて発病の芽に敏感に気づくことも重要です。
基礎疾患を抱えている方は合併症に備え、持病の治療にきちんと取り組みましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

少し息苦しい、胸が痛い気がするなど胸膜炎の初期症状は、風邪や体調不良でも感じるよくある症状ばかりです。咳が出る場合も風邪を疑うことはあっても、即座に胸膜炎の可能性に気づく方は少数派でしょう。
ただ、色々な疾患と関わっている病気なので、胸水の異常から他の疾患の発覚につながる可能性もあります。
何かおかしいと感じたら、積極的に専門家に診て貰うよう意識しておくことが、ご自身の将来の健康を守ることになるかも知れません。

編集部まとめ

笑顔の女医
胸膜炎は肺炎と比べるとあまり知名度が高くない呼吸器の病気ですが、身近な色々な病気の合併症になりやすいことが分かりました。

がんなど深刻な病気とも関わり合っているので、胸膜炎の症状からがんの早期発見、早期治療につながる可能性もあるでしょう。過度の飲酒や喫煙も危険因子になります。

他の病気から身を守るためにも、明らかに問題のある生活習慣を自覚している場合、改めることも大切ではないでしょうか。

また感染症を合併している可能性を考えると、咳などの症状が出ているときは自宅でもマスクをつけて、家族感染を防ぐ対策が効果的かも知れません。

参考文献

呼吸器Q&A(日本呼吸器学会)

呼吸器の病気(日本呼吸器学会)

配信元: Medical DOC

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