
ホラー漫画「水ムーちゃんねる 隣の晩怖談」で、実際に聞いた、集めた、体験した「実話怪談」を描く作者の水村友哉さん(@gontanopoo)。今回は、その中から「鳩の鳴く家」というエピソードを紹介するとともに、作者の水村さんに制作の経緯について話を聞いた。
水村さんは、漫画家としての原点に水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』を挙げており、妖怪やお化けに魅せられ、幼いときから描き続けてきたという。そして現在、「ちょっと笑えて、でもしっかり怖い」、そんな“日常の中の異物”を描く独自のスタイルを確立している。
■異常な鳩の行動が招いた不気味な夜



今回紹介する話は、水村さんが法事の席で親族から聞いた“身内の体験談”をもとにしている。物語の語り手である作者の叔父は、幼少期に母と兄妹とともに鳩を飼っていた家に住んでいた。
ある日、檻の中で鳩が異常な鳴き方を始めたため、外に放したところ、普段とは全く異なる不審な飛び方で空中を旋回したという。そのうち一羽が電柱に絡まり、首を落としてしまうという悲劇が起こる。鳩の姿が見つからず、家族が困惑していたその夜、隣人の老婆が「これ、あんたのところのじゃないか」と、袋に入った鳩の死骸を持って現れるという不気味な展開となる。
さらに、エピソードの結末では、その夜、主人公の寝室に天井から「逆さの男」が侵入するという、背筋の凍るような出来事が描かれる。
■「実話怪談」にこだわる理由と作品の魅力
水村さんが描く『隣の晩怖談』は、某有名テレビ番組をオマージュしたもので、作中では語り部として魔除けの象徴であるフクロウ「水ムー」が登場する。YouTubeの怪談チャンネルのような演出も本作ならではの魅力だ。取材を通じて集めた実話をもとに描かれるリアルな恐怖は、「実はすぐ隣にあるかもしれない」と感じさせる。
取材協力:水村友哉(@gontanopoo)
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