不整脈予防のために大切な生活習慣とは?メディカルドック監修医が不整脈予防のために大切な生活習慣などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「不整脈を予防する可能性の高い食べ物」はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
佐藤 浩樹(医師)
北海道大学医学部卒業。北海道大学大学院医学研究科(循環病態内科学)卒業。循環器専門医・総合内科専門医として各地の総合病院にて臨床経験を積み、現在は大学で臨床医学を教えている。大学では保健センター長を兼務。医学博士。日本内科学会総合専門医、日本循環器学会専門医、産業医、労働衛生コンサルタントの資格を有する。
「不整脈」とは?
不整脈とは心臓の拍動リズムが乱れた状態を指します。正常な心臓は、規則正しいリズムで電気信号を送り心臓の筋肉を収縮させて血液を送り出しています。しかしながら、何らかの原因でこの電気信号に乱れが生じると、脈が速くなったり遅くなったり、不規則になったりすることがあります。不整脈には様々な種類があり、経過観察でよいものから命に関わるものまであります。そのため、正確な診断と適切な治療が重要です。
不整脈予防のために大切な生活習慣
不整脈予防には、日常生活として、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理、適切な睡眠を心がけることが重要です。また、禁煙、適度なアルコール摂取、カフェインの適切な制限も予防には効く生活習慣です。代表的なものについて以下に記載します。
禁煙
タバコに含まれるニコチンは、心拍数の増加や血管収縮作用があるため、心臓に必要な血液や酸素の供給が制限され、心臓のリズムが乱れ不整脈が起こりやすい状態となります。更に、 タバコに含まれる有害物質は、体内で酸化ストレスを増加させます。そのため、心臓にダメージを与え不整脈のリスクを増加させる要因となります。従って、禁煙は極めて重要な生活習慣です。他人が吸ったタバコの煙を吸う受動喫煙にも注意する必要があるでしょう。
過度なアルコール摂取
過度のアルコール摂取は、心拍数増加、血圧上昇を起こすため、心臓に負担がかかり不整脈の発症リスクを高める原因となります。特に、脳梗塞の原因とされる心房細動のリスクを増加させることが報告されています。適度なアルコール摂取に留めましょう。具体的には、男性では1日にアルコールとして純アルコール量で20グラム未満です。女性では1日にアルコールとして純アルコール量で10グラム未満をお勧めします。
カフェインの適切な制限
過度のカフェイン摂取は、中枢神経刺激作用があるため心臓の自律神経系を高めます。そのため、心拍数が増加し不整脈の発症リスクを増加させます。更に、交感神経系を刺激するため、心拍数を増加させ不整脈が起こりやすい状態となります。従って、カフェインの適切な制限が必要です。具体的には、成人として1日にカフェインとして200~400ミリグラム程度をお勧めします。
適度な運動
適度な運動は、心臓を鍛えポンプ機能の強化、血圧を下げる効果、ストレス解消などの効果があり不整脈出現のリスクを軽減させます。具体的には、適度な運動量は厚生労働省「健康づくりのための身体活動指針2020」を参照していきましょう。18~64歳の成人であれば、週に合計150分以上の中等度~活発な強度の有酸素運動がすすめられます。または週に合計75分以上の高強度な有酸素運動、または筋力トレーニングを週2回以上行うことを推奨しています。
ストレス管理
過度なストレスは交感神経を活性化して心拍数を高め、不整脈のリスクを増加させます。従って、ストレスを軽減する方法を自分なりに見つける必要があります。適度な運動、没頭できる趣味を持つ、自分独自のリラックス法を持つなどが大切でしょう。リラックス法としては、深呼吸、瞑想、アロマテラピー、ヨガ、ストレッチなどがあります。

