「牛乳」を飲んで「下痢」をする原因はご存知ですか?考えられる病気を医師が解説!

「牛乳」を飲んで「下痢」をする原因はご存知ですか?考えられる病気を医師が解説!

「牛乳を飲んで下痢をする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「牛乳を飲んで下痢をする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

乳糖不耐症

乳糖不耐症は、牛乳や乳製品に含まれる乳糖を分解できず、大腸でガスや酸が発生し、お腹の膨満感、腹痛、下痢、張りなどが現れる体質です。特に日本人は発症頻度が高く、年齢とともに症状が出やすくなる場合も見られます。

治療・対策は基本的に乳糖の摂取を控えることで、特に症状が出る食品(牛乳、アイス、特定乳製品)を避けることが中心になります。乳糖を分解した製品(乳糖フリー牛乳やヨーグルト、チーズなど)は比較的症状が出にくいため代用が推奨されます。

生活に支障をきたす頻度・程度なら、消化器内科での相談が望ましく、専門施設では乳糖負荷試験などの検査も行われることがあります。

牛乳アレルギー・乳製品アレルギー

牛乳アレルギーは、乳タンパクに対する免疫反応であり、下痢のみならず蕁麻疹や湿疹、呼吸困難、咳、喘鳴、嘔吐などの全身症状を呈することが特徴的です。発症頻度は乳幼児に多いものの、成人でも生じる場合があります。
治療は医師の診断のもとで「原因食材の除去」が第一です。勝手に自己判断で除去せず、医師に相談し最適な生活指導や必要に応じた緊急薬(抗ヒスタミン薬等)を準備する事が重要です。全身症状や強い反応があれば、早急にアレルギー科または内科・小児科を受診してください。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、ストレスや自律神経の乱れ、食生活の影響などで腸が過敏に反応し、慢性的に下痢や腹痛、便秘、ガス症状などが繰り返される病気です。乳製品や冷たい飲み物などの摂取が誘因となることもあります。治療は主に日常生活・食事内容の見直し、消化管の運動やストレスを改善する薬物療法が一般的です。症状が長引く場合や生活支障が大きい場合は、消化器内科や心療内科での相談を勧めます。

吸収不良症候群

吸収不良症候群は、小腸の機能障害によって栄養素が吸収されず、下痢や体重減少、腹部の膨満感、倦怠感、貧血などが現れる疾患群です。乳糖不耐症やセリアック病などもこの枠組みに含まれることがあります。治療は原因疾患ごとに異なりますが、不足する栄養素の補給や原因食材の除去がメインです。体重減少など中等度以上の場合は消化器内科受診が必須です。

慢性下痢

慢性下痢は、1ヶ月以上持続する下痢であり、特定の食材摂取でのみ起こる場合や、日常的に繰り返す場合もあります。腸の炎症、感染、機能障害、アレルギー、ストレス、薬剤性など様々な原因があります。乳製品摂取で問題が続く場合や、他の症状(体重減少、血便など)を伴う場合は軽視せず消化器内科受診を考えましょう。

「牛乳を飲んで下痢をしやすい」ときの正しい対処法は?

牛乳や乳製品を摂取した後に下痢や腹痛などの症状が出た場合は、まず無理に我慢して飲み続けず、一度摂取を控えて安静にしましょう。症状が軽い場合は水分補給で体力の消耗を防ぐことが大切です。乳糖不耐症が疑われる場合、乳糖フリーの製品やヨーグルト・チーズなど乳糖含有量が少ない乳製品への切り替えが有効で、少量ずつ試しながら自身の体質を確かめていくのがポイントです。また温めて飲むことで腸への刺激を抑え、症状の改善が期待できることもあります。
症状が繰り返し起こる場合や、牛乳を控えても下痢が改善しない場合、また強い腹痛・血便・体重減少がみられるときは、消化器内科など専門医の受診をおすすめします。牛乳や乳製品を摂取するたびに毎回同じような症状が出る場合は、乳糖不耐症やアレルギー体質の可能性が高いですが、皮膚や呼吸器症状をともなうときはアレルギーも疑われますので速やかに医療機関へ相談してください。

配信元: Medical DOC

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