甲状腺がんの初期症状についてよくある質問
ここまで甲状腺がんの初期症状・治療法・早期発見のポイントなどを紹介しました。ここでは「甲状腺がんの初期症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
甲状腺がんの検査方法について教えてください
久高 将太医師
甲状腺がんにおける主な検査は以下の6つです。超音波
血液検査
細胞診(病理検査)
CT・MRI
シンチグラフィ
腫瘍マーカー
超音波では、甲状腺にできた腫瘍の大きさ・性質とあわせて転移の有無なども調べながら、良性・悪性の判断を行います。血液検査を行うのは、ホルモンを調べるためです。遊離サイロキシン・甲状腺刺激ホルモン・サイログロブリン・カルシトニンなどを中心に行います。細胞診はしこりの良性・悪性を調べることが目的です。超音波と並行して行い、病理組織を穿刺します。CT・MRIは、主にがんの広がり・転移などを調べるために行うのが一般的でしょう。シンチグラフィとは、放射性薬品を内服・注射し、体内で放出される放射線を画像にする検査です。甲状腺がんにおいては、甲状腺シンチグラフィと腫瘍シンチグラフィを行うでしょう。腫瘍マーカーは、がん診断の補助・経過確認などを行うための検査です。甲状腺がんの場合はCEA・サイログロブリン・カルシトニンが扱われることがあります。
甲状腺がんは転移しますか?
久高 将太医師
種類と転移については以下の通りです。種類 転移先 転移の確立
乳頭がん
リンパ節・周辺臓器
リンパ節への転移は低い
離れた臓器へ転移しやすい
濾胞(ろほう)がん
骨・肺など離れた臓器
血液の流れを利用
リンパ節への転移は低い
離れた臓器へ転移しやすい
髄様(ずいよう)がん リンパ節・肺・肝臓など 高いとされている
未分化がん 甲状腺周辺(気管・食道など)・全身 高いとされている
転移の確率については症状・状態によって異なるため、一概にはいえません。あくまでも目安であり、治療後も医師の診察が欠かせないといえるでしょう。
甲状腺がんがリンパ 節に転移するのはどのステージですか?
久高 将太医師
リンパ節に転移するステージは、甲状腺がんの種類によって異なります。主な種類とステージは以下の通りです。乳頭・濾胞(ろほう)がん:2期以上
髄様(ずいよう)がん:3期以上
未分化がん:4B期以上
同じ甲状腺がんでも種類によってステージは異なるので、覚えておくと良いでしょう。
編集部まとめ
甲状腺がんの初期症状について解説しました。結論からいうと、甲状腺がんにおける初期症状はほとんどありません。
症状の一例として嗄声(きせい)・しこりなどをあげましたが、これらの自覚症状がみられるのはまれでしょう。
しかし、何らかの違和感を覚えた場合は甲状腺を含めた病気に罹患している可能性があります。甲状腺がんも含めて、病院で診察を受けてみてください。

