予告なく鳴ったインターホン
そそくさと自宅に入った後も、私は落ち着かない気分でした。思い返せば、昨晩未読無視したメッセージは朝のバタバタで未だ既読すらつけていませんでした。ただ、そうだとしても自宅を探して来るなんて。それに、実は自宅はずっと前から知られていた……?悪い方向への勘繰りが止まらずにいた時、インターホンが鳴りました。
「あ、俺出るわ」
夫がモニターを確認する。マイクをオンにして漏れ聞こえてきたのは、聞き覚えのある、穏やかな女性の声でした。
「美咲、お客さん。前話してたママ友の川村さん?」
その瞬間、身震いしそうなほどの衝撃が身体を硬直させました。とうとう彼女は、事前の予告もなく、私の自宅にまでやって来るようになったのです。
あとがき:越えてはならない一線を越えた時
友好関係の名のもとに、断りや境界線を無視して迫ってくる理沙さん。写真を送り、予告なく訪ねてくるその行動は、単なる好意では済まされない「侵入」でした。ママ友関係だからこそ切り離しにくい中で、美咲の心には確かな恐怖と不信感が芽生えます。違和感から始まった執着の影は、いよいよ美咲の日常を侵し始めていました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: tenkyu_writing
(配信元: ママリ)

