もしかして「大腸がん」!? サインとなる“血便の特徴”や対処法を医師が解説

もしかして「大腸がん」!? サインとなる“血便の特徴”や対処法を医師が解説

血便が出たときの対処法

血便が出たときの対処法

編集部

痔の場合は、どのような治療をおこないますか?

安西先生

軽症の痔であれば、まずは生活習慣の見直しがおこなわれます。便秘や下痢といった排便習慣の乱れが原因となっている場合は、それらを改善することで症状の軽減が期待できます。まずは正しい排便習慣と正しい便の性状を目指しながら、必要に応じて軟膏や坐薬などの外用薬による治療をおこないます。一方、出血が繰り返される、疼痛が強いなどの重症例や、緊急性を伴う場合では、症状の程度に応じて手術や専門医療機関への紹介が検討されることもあります。

編集部

では、内視鏡検査で切除できなかった大腸がんの治療はどのように進められるのでしょうか?

安西先生

内視鏡で切除できなかった大腸がん、つまり進行がんや内視鏡治療の適応外と判断された場合には、手術による切除が基本となります。がんの位置や広がりに応じて、結腸や直腸の一部を切除し、周囲のリンパ節も一緒に取り除く「外科的切除」がおこなわれます。また、術後の病理結果やステージに応じて、補助的な化学療法が追加されることもあります。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

安西先生

痔は「恥ずかしいから……」と受診をためらう人も少なくありません。ですが、多くの場合、原因は排便習慣や便の性状の問題がある場合が多く、放っておくと悪化してしまうこともあります。裏を返せば、早めに対応することで悪化を防ぐことができるということです。また、便に血が混じる「血便・排便時出血」も、トイレットペーパーに少し血がつくだけの軽いものから、便器が赤く染まるような出血まで様々です。いずれの場合も、必ず何らかの原因があると考えられます。「そのうち治るだろう」「様子を見ていれば大丈夫」と自己判断してしまうと、思わぬ病気が隠れていた場合に発見が遅れてしまうこともあります。気になる症状があるときは、恥ずかしがらずに、早めの受診をおすすめします。

編集部まとめ

血便は、軽度の痔から進行した大腸がんまで、様々な原因で起こり得ます。出血の色や痛みの有無などで、ある程度の予測はできますが、最終的な判断には専門的な診察と検査が不可欠です。特に、便潜血検査で陽性が出た場合や、血便を認めた場合は、恥ずかしさや不安で先延ばしにせず、速やかに医療機関を受診し、必要に応じて大腸内視鏡検査を受けましょう。

配信元: Medical DOC

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