元TOKIOの国分太一さんが10月23日、自身を番組から降板させた日本テレビの対応について、日本弁護士連合会(日弁連)に人権救済の申立てを行ったことが報じられました。
共同通信(10月23日)によると、国分さんは、日テレの人気番組を降板させられた際に、具体的な事実を告知されなかったため、対外的な説明ができず、他番組の降板やスポンサー契約解除などの影響を受けたと主張しているそうです。
「人権救済制度って何?」「裁判とは違うの?」と疑問に思った人も多いでしょう。この仕組みを、具体的な例を交えながら解説します。
●人権救済制度とは?
この制度は、私たちの基本的人権を守るために、日弁連という弁護士全員が加入する組織が独自に行っている活動です。
日弁連の人権救済制度を一言で言うと、「裁判を起こさなくても、人権侵害の解決を目指せる、弁護士会による公的な仕組み」です。
日本の弁護士には、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」という法律上の役割があります。この使命に基づき、人権侵害の被害者からの申立てを受け付け、その解決を目指すのが人権救済制度です。
●裁判との決定的な違い
人権救済制度は、裁判ではありません。
裁判所が出す「判決」には強制力があり、損害賠償などを命じることができますが、人権救済制度で出される「措置」には強制力はありません。その代わり、日弁連は専門家の団体として、「これは人権侵害である」という弁護士会としての公的な判断を示します。
強制力がない代わりに、手続きは無料で行え、裁判では解決しにくいデリケートな人権問題や、組織の不当な判断に対し、法律のプロとしての見解を世に示すことができるのです。
なお、日弁連が出す措置には、人権侵害の程度に応じて、「警告」(最も重い)、「勧告」、「要望」といった段階があります。
このほか、意見の表明、助言・協力、再審請求支援などを行っています。

