●国分さんの申立ての内容
国分さんの申立ての内容は、デイリー新潮の報道(10月22日)などからみる限り、ハラスメント等の事実それ自体を争おうとしているわけではなく、「日テレの対応の、手続き上の不当性」を日弁連に公的に認定してもらうことのようです。具体的には、以下の点が問題となりそうです。
「不当な決定プロセス」の是正: 降板決定に至るまでの調査で、国分さん側に十分な弁明(自分の言い分を言う)の機会がなかったことや、どの行為が具体的に問題とされたかの説明がなかったなど、不利益を課すための正当な手続(適正手続)を踏んでいない
「説明責任の妨害」の是正: 日テレ側から「口外するな」と指示され、どのような事実が問題とされているのかも明かされなかったため、国分さんが何を発言して良いのかがはっきりしない。このままだとスポンサーやファンに対し、謝罪と説明を行う機会と手段を奪われてしまう
国分さんは、日弁連に「警告」や「勧告」を出してもらうことで、「日テレの対応は間違いだ」という「お墨付き」を得て、社会に対して説明責任を果たすための道筋を開くことを目指しているようです。
●措置には強制力はないが、影響力は大きい
日弁連の人権救済措置(警告、勧告、要望など)には、裁判のような強制力はありませんが、社会的・法的な影響力は大きいものがあります。
これは、全国の弁護士が所属する、日本の法曹界の一部である日弁連が、法律のプロとして公に人権侵害と認めたことを意味するからです。措置を受けた側も、その重みを無視することはできず、事態の改善や再発防止に向けた対応をとることが期待できます。

