すぐに病院へ行くべき「ストレスによる耳鳴り」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
ストレスによる耳鳴りと難聴や強いめまいを伴う場合は、耳鼻咽喉科へ
急に症状が出現し、耳鳴りとともに難聴を感じる場合は突発性難聴の可能性を第一に考えます。もし、これまでにもめまいと同時に耳鳴り、難聴の発作を繰り返している場合、メニエール病の発作が考えられます。これらの病気は早期治療が聴力の回復に大きく影響するため、速やかに耳鼻咽喉科を受診してください。
病院受診・予防の目安となる「ストレスによる耳鳴り」ときのセルフチェック法
・一晩寝ても治らない、あるいは改善しない耳鳴り
・耳鳴りで仕事や睡眠に支障が出ている
・耳鳴りに加え、難聴、めまい、耳の閉塞感を伴う
・耳鳴りと体が動かない、感覚がおかしいといった症状がある
上記に一つでも当てはまる場合は、自己判断せず耳鼻咽喉科、特に体の麻痺がある場合は救急病院で診察を受けることをお勧めします。
「ストレスによる耳鳴り」に関する特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「ストレスによる耳鳴り」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
メニエール病
内耳のリンパ腔が浮腫(むくみ)を起こすことが特徴の疾患で、回転性めまい、難聴、耳鳴り、耳閉塞感の発作を繰り返す病気です。ストレスが引き金になることが多く、生活習慣の改善が治療の基本です。症状がある場合は耳鼻咽喉科を受診してください。
突発性難聴
突然、片耳が聞こえなくなる原因不明の病気で、耳鳴りを伴います。原因はわかっておらず、ウイルス感染や自己免疫による細胞障害、血流障害などが関与すると考えられ、ステロイド薬による早期治療が聴力回復の鍵となります。疑わしい症状があれば、すぐに耳鼻咽喉科を受診すべき緊急性の高い疾患です。
低音障害型感音難聴
低音域の聴力だけが低下する病気で、若い女性に多く見られます。低い音の耳鳴りや耳閉塞感が主な症状で、ストレスや疲労との関連が深いと言われています。休息と治療で比較的治りやすいですが、再発することもあります。
自律神経失調症
ストレスや睡眠不足、慢性疲労、不安などが原因で耳鳴りだけでなく体の不調全般が強く意識される状態を指す、一般的な呼称です。多くの場合、聴力検査では異常が見られません。耳鳴りのほか、頭痛、動悸、不眠など心身に様々な不調が現れます。まずは耳鼻咽喉科などで体の病気がないかを確認し、必要に応じて心療内科の受診も検討します。
睡眠不足
睡眠不足は、脳の働きを不十分にし、不快な感覚に対して過敏にさせることが原因で、耳鳴りを感じやすくなります。また、疲労感や集中力の低下が、不快な感情を強めることがあります。すると、結果として耳鳴りと不快感を自分の脳が結びつけるきっかけとなりかねません。質の良い睡眠を確保することは、耳鳴りの悪循環を断ち切るための第一歩です。

