男女ともに、意外に悩んでいる人が多い尿漏れ。「尿漏れが気になって外出ができない」という人も多いのではないでしょうか? 尿漏れは医療機関で治療を行うことによって改善が期待できます。今回は尿漏れの治療法について、ゆきがや泌尿器クリニックの三山先生に詳しく教えてもらいました。

監修医師:
三山 健(ゆきがや泌尿器クリニック)
2009年3月東海大学医学部医学科卒業。横浜南共済病院泌尿器科、小田原市立病院泌尿器科、横浜市立市民病院泌尿器科、君津中央病院泌尿器科医長、横須賀共済病院泌尿器科医長、済生会横浜市南部病院医長を経て2024年5月ゆきがや泌尿器クリニック院長就任。日本泌尿器科学会専門医、日本泌尿器科学会指導医、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会腹腔鏡技術認定医、日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会ロボット手術認定プロクター、日本内視鏡外科学会腹腔鏡技術認定医泌尿器領域、インテグラル公認前立腺レーザー手術CVP認定プロクター日本がん治療認定医機構がん治療認定医。
編集部
尿漏れはどのようにして治療するのですか?
三山先生
原因によって異なります。たとえば腹圧性尿失禁の場合、症状が軽度であれば尿道の周辺にある骨盤底筋群を鍛えることで改善が見込める場合もあります。また、肥満が原因となっていることもあるので、その場合には減量することで改善が期待できることもあります。
編集部
そのほかのタイプの尿漏れはどのように治療するのですか?
三山先生
切迫性尿失禁の場合には、β3受容体作動薬や抗コリン薬などの薬剤を用いて治療を行うことがあります。そのほか飲水コントロール、骨盤底筋訓練、膀胱訓練などの行動療法も有効です。
編集部
原因によって治療法が異なるのですね。
三山先生
はい。これらの保存療法によっても改善が期待できない場合には、手術を行うこともあります。そのほか当院では尿失禁に対する磁気治療医療機器を導入しています。これは磁気の装置を使って骨盤底筋をトレーニングするもので、自費診療になりますが、大きな効果を期待することができます。いずれにしてもまずは原因を確認し、それに適した治療を行うことが重要なので、尿漏れに悩んでいる方は一度、専門医に相談することをお勧めします。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
三山先生
尿漏れは人に相談をしづらい疾患。そのため、本当は多くの人が悩みを抱えているのに、誰とも共有できず諦めているというパターンが多いのです。しかし、尿漏れがあると生活の質が著しく低下し、外出ができなくなる、仕事が続けられなくなるなどといった問題が起きることも少なくありません。原因に応じてきちんとした治療をすれば治る可能性も高いので、諦める前にぜひ専門医に相談してみましょう。
※この記事はMedical DOCにて<「恥ずかしいから…」で済ますな『尿漏れ』に潜む病気の可能性、注意すべき症状とは>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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