
三谷幸喜が脚本、菅田将暉が主演を務めるドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(毎週水曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第4話が10月22日に放送。シェイクスピアの戯曲「夏の夜の夢」公演に向けて準備に奔走する久部(菅田)たち。そんな中、ダンサー・リカ(二階堂ふみ)のシーンが注目された。(以下、ネタバレを含みます)
■昭和の渋谷を舞台にした青春群像劇
本作は、脚本家・三谷幸喜自身の経験に基づくオリジナルストーリーで、1984(昭和59)年の渋谷を舞台にした青春群像劇。
菅田演じる成功を夢見る演劇青年の主人公・久部三成や、ミステリアスなダンサー・倖田リカ(二階堂ふみ)、三谷をモチーフにした新人放送作家・蓬莱省吾(神木隆之介)、渋谷にひっそりとたたずむ神社の巫女・江頭樹里(浜辺美波)ら、若者たちのくすぶり、情熱、苦悩、恋を描く。
■久部の熱い指導を受けるリカ
ストリップ劇場「WS劇場」のダンサーやスタッフたちとシェイクスピアの戯曲を上演すると決めた久部。翌日に久部版「夏の夜の夢」公演初日を控え、ゲネプロといわれる本番と同じ条件でのリハーサルを行うまでが描かれた第4話。
そんな中、注目されたシーンの一つがリカだ。リカがキャスティングされたのは、友人であるハーミアのことが好きなディミートリアスに思いを寄せるヘレナ。
リカがステージ上でストレッチをしていると、久部がすぐ近くで台本を読み始めた。「見られてるとやりにくいんですけど」。ところが久部は「いないものと思ってください」と、どこうとしなかった。
ゲネプロは皆のスケジュールが合わなかったため夜から。そこで久部は「リカさん、抜き稽古やりましょうか!」と言い出した。
「私はあなたのスパニエル」というせりふ回しに久部から何度もダメ出しされるリカ。挙句にぞうきんを絞りながらせりふを言うように指示される。「感情を絞り出すんだ」「違う!」「もっと!」「もっとできる!」と何度もやり直させた久部は、思い通りの言い方ができるとリカを抱きしめた。
だが、リカの表情は曇っていた。満足気な久部が去ったあと、「何がスパニエルよ…」と憎そうにぞうきんを絞り上げた。
■リカとジェシーが「スリラー」を踊る!
久部の強引な熱さに引いているようだったリカだが、1人ステージで先ほどのせりふを練習していると、WS劇場のオーナー・ジェシー才賀(シルビア・グラブ)がやって来た。
リカが一番踊りがうまいことを知っていたジェシーは、世間で流行中のマイケル・ジャクソンの歌「スリラー」の踊りを本番に取り入れることをリクエスト。「でも、シェイクスピアですから」と驚くリカに、「古くさいことばっかりやってたらダメよ。こういう新しいことも織り込んでいかないと、お客さん飽きちゃうから」と言う。
さらにリカが「演出家の先生がなんて言うか」と戸惑うと、「芝居ってね、最後は役者のものなんだから」と告げ、リカをステージ上に誘った。
リカと同じダンサーの毛脛モネ(秋元才加)が息子の担任教師と言い合いになり、「これからはシェイクスピア俳優として生きていく」と宣言する場面を挟み、WS劇場が映し出されると、なんとリカとジェシーが向き合い、2人でスリラーの振り付けを完璧に踊っているところだった。
「いいじゃない」とリカを褒め、「明日が楽しみだわ」とつぶやくジェシー。そんなジェシーはかつてストリップのステージに立っていたようで、さらにその前には劇団にいたことが明らかに。前回、久部がWS劇場で「夏の夜の夢」を上演すると知ったとき、演劇に詳しい様子だったが、キャリアからくるものだったのだ。
ここで視聴者の間で笑いが起きた。ジェシーは劇団時代について「俳優座第13期生。石立鉄男と同期。加藤剛もね」と明かしたのだ。
そんな小ネタを盛り込みながら、リカはダンサーのときと同じステージに立つものの、せりふを発する芝居をすることに「(これまでと)勝手が違うんです」緊張しているようで、アドバイスを求めた。ジェシーは「とにかくね、大きな声を出すこと。声が小さいと心も縮こまるでしょ。せりふが大きければ何とかなるものよ」と語った。
SNSには「二階堂ふみちゃんのスリラーが見られるとは!!」「ふみ様のスリラーありがとうございます」「オーナーとリカのスリラー最高!」「オーナーのスリラーと『石立鉄男と同期』最高だった」などの反響が寄せられた。
ラストのゲネプロではひと騒動あったが、それを見た久部を追い出した劇団の演出家・黒崎(小澤雄太)と製作スタッフのトンちゃん(富田望生)は「面白かった」と評価した。リカがスリラーを踊るのかも気になるところ。次回、10月29日(水)放送の第5話で公演初日を迎えるが、予告を見る限り、またひと波乱ありそうだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

