ヨーロッパを中心に、多くの疼痛性疾患の除痛を目的として普及しつつある「体外衝撃波治療」。現時点で、日本で取り入れている医療機関はそれほど多くありませんが、治療効果が高く、安全性も優れているとして注目を集めています。今回は、体外衝撃波治療の回数や費用の目安について「世田谷かくた整形外科 成城学園前院」の角田先生に解説していただきました。

監修医師:
角田 篤人(世田谷かくた整形外科 成城学園前院)
東京慈恵会医科大学医学部医学科卒業。その後、東京慈恵会医科大学整形外科学講座。東京慈恵会医科大学附属第三病院整形外科診療医長、東京慈恵会医科大学整形外科学講座講師などを務める。2023年、東京都世田谷区に「世田谷かくた整形外科 成城学園前院」を開院。医学博士。日本整形外科学会専門医・認定スポーツ医・認定リウマチ医・認定リハビリテーション医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
編集部
体外衝撃波治療は、1回で効果が得られるのですか? 何回受ければいいのでしょうか?
角田先生
必要な施術回数は、患者さんの状況や疾患によって異なります。多くの疾患では、3~10日間隔で約3回の施術が必要とされています。1回の照射時間は、10分ほどです。
編集部
どれくらいで普段の生活を送ることができますか?
角田先生
治療直後から日常生活に復帰することができます。治療された部位に赤みや内出血ができる場合がありますが、数日程度で消失します。
編集部
体外衝撃波治療は、誰でも治療を受けることができるのですか?
角田先生
安全性が高いので、年齢などに関係なくどなたでも受けることができます。ただし、ペースメーカーを使用している人などは、事前に医師へご相談ください。
編集部
体外衝撃波治療は保険適用ですか? 費用の目安を教えてください。
角田先生
現在では、難治性足底腱膜炎の治療にのみ保険適用となります。そのほかの疾患については、自由診療となり、費用は医療機関によって異なります。一例として当院では、初回が税込1万6500円、2回目以降が税込8250円となります。詳しくは医療機関に問合わせください。
編集部
保険適用になる疾患もあるのですね。
角田先生
はい。これまで、足底腱膜炎は根本的な治療法がないと言われており、「ストレッチをする」「インソールを使用する」「湿布をする」「注射をする」しか対処法がありませんでした。しかし、体外衝撃波治療をおこなえば症状が出現しなくなったり、痛みの程度が軽減したりする効果が期待できます。難治性足底腱膜炎で悩んでいる場合は、保険適用で受けられる体外衝撃波治療を試してみてほしいと思います。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
角田先生
衝撃波治療を検討する際は、医療機関をしっかり吟味することが大切です。体外衝撃波治療には「集束型」と「拡散型」の2種類があり、著名な疼痛の軽減効果が期待できるのは集束型です。しかし、集束型の体外衝撃波治療をおこなっている医療機関は、都内でさえごくわずかというのが現状です。「体外衝撃波治療をおこなっている」と謳う医療機関を訪れる場合は、集束型か拡散型かを確認してから、治療に臨むことをおすすめします。
※この記事はMedical DOCにて<足の裏に「体外衝撃波治療」ホントに効果ある? 治療回数・費用目安・保険適用のケースも医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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