インフルエンザで病院に行った方がよいケース

インフルエンザの疑いがある場合に必ず受診した方がよいのはどのような人ですか?
インフルエンザが疑われるときに受診をした方がよいのは、重症化の可能性が高い方です。65歳以上の方、糖尿病や心臓病、呼吸器疾患、腎疾患などの基礎疾患を持っている方、妊婦さんや乳幼児は免疫機能が低く、病気にかかりやすい状態にあるため、一見軽い症状にみえても急激に病状が悪化することがあります。
また、過去にインフルエンザ脳症や重度の合併症を経験したことがある方も注意しましょう。それ以外にも、家庭での対応に不安がある場合は、早めに医師に相談することで、適切な対応を受けられます。
どのような症状がみられたら受診すべきですか?
健康な成人であっても、次のような症状がある場合は医療機関を受診しましょう。
38度以上の発熱が数日間続いている
咳が強く呼吸が苦しい
意識がもうろうとしている
けいれんを起こした
胸の痛みがある
これらの症状がある場合、重症化や合併症を発症している可能性があります。
また、水分が十分に摂れず尿の量が減っている、お口の渇きが強いといった症状がみられる場合は、脱水症状を起こしている可能性があります。脱水を放置すると、腎機能障害や意識障害につながることもあるため、医療機関を受診して適切な対応を受けましょう。
インフルエンザで病院に行った場合に実施される検査と治療

インフルエンザで受診をするとどのような検査が行われますか?
医療機関では、まず問診と診察によって症状の経過や体調の変化を確認します。そのうえでインフルエンザの可能性を疑った場合には、迅速診断キットによる検査が行われるのが一般的です。
迅速診断キットは鼻や喉の粘膜から綿棒で検体を採取し、15分程度でインフルエンザ陽性かの結果がわかるのが特徴です。
ただし、この検査は発症後24時間程度で検査精度が高くなるといわれており、発症から間もない場合はウイルス量が少ないため、実際には感染しているのに陰性と出る偽陰性になる可能性があります。そのため、症状や流行状況を踏まえた総合的な判断が必要です。
重症化や合併症が疑われる場合など、より正確な診断が求められるときにはPCR検査が行われることもあります。
参照:『新型インフルエンザ 診療ガイドライン(第1版)』(一般社団法人日本感染症学会)
インフルエンザが確定した場合の治療法を教えてください
インフルエンザの治療の基本は、安静と水分補給、十分な休養です。無理に登校や出勤すると症状が長引き、周囲に感染を広げてしまうおそれがあります。
そのうえで、発症から48時間以内であれば抗インフルエンザ薬が処方されることがあります。抗インフルエンザ薬には 飲み薬、吸入薬、点滴薬(注射薬)の3種類があり、どのタイプを使うかは年齢や症状、基礎疾患の有無、妊娠中などによって医師が判断します。
これらの薬は症状を軽くしたり、発熱の期間を短くしたり、合併症にかかる可能性を下げる効果が期待できます。ただし、薬を使ってもすぐに治るわけではなく、数日は熱や倦怠感が続くことがあります。
参照:『令和6年度インフルエンザQ&A』(厚生労働省)

