「変形性脊椎症」は何をすると予防につながるのか?予防法を医師が解説!

「変形性脊椎症」は何をすると予防につながるのか?予防法を医師が解説!

高齢化社会になりロコモ外来が新設されるなど加齢による疾患や介護が必要な患者数は増えています。その中でも変形性脊椎症は4千万人近くいるといわれています。

スマートフォンやパソコンを見る時の前かがみの姿勢は現代病であるストレートネックになりやすく、そこから変形性脊椎症に繋がる恐れも…。

首・腰・足にしびれや痛みが続いたら脊椎変形のサインかもしれません。将来、介護にならないよう今から対策していきましょう。

※この記事はメディカルドックにて『「変形性脊椎症」になると現れる初期症状はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

変形性脊椎症の予防

ストレッチ体操

変形性脊椎症はストレッチや筋トレで予防できますか。

ストレッチや筋トレは予防・治療の基本です。足腰の筋力強化とバランス力の強化になります。中高年者など脊椎や膝関節軟骨の変性がすでに始まっている場合は膝・腰に過剰の負荷をかけないようなトレーニングが前提です。
腰痛体操も推奨されている変形性脊椎症の予防法であり、リハビリ療法としても効果的です。腰椎を支える主な4つの筋肉は腹筋・背筋・ハムストリングス・腸腰筋で、これらの4つの筋力の維持と柔軟性を保つことが重要になります。また、骨粗鬆症にならないように気を付けることも予防の一つです。骨密度は50代を過ぎると急激に減少します。骨粗鬆症に伴う腰椎圧迫骨折と大腿骨頸部骨折の発生率が上がり、脊椎の骨折により背中が曲がりやすくなります。カルシウムを摂り、適度な運動・日光浴をして骨を強くすることも必要です。反り返った姿勢(歯科治療、美容院の洗髪時など)は症状を悪化させることがありますので、なるべく脊椎に負担をかけない正しい姿勢を心掛けましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

「歳によるものだから仕方がない」と諦めていませんか。腰の痛みが改善される可能性があります。脊椎の手術は大変であると敬遠される方もいらっしゃると思いますが、的確な診断と治療を行うことで患者さまは痛みから解放されます。
機能が改善し笑顔で退院した後も、好きなことを始める・楽しむといった生活の質を向上させることもできます。2036年には3人に1人が65歳という超高齢化社会になるといわれていますので、健康寿命をのばすためにも老化現象に負けない健康な体をつくっていきましょう。

編集部まとめ

整体師
スマ―トフォン・パソコンの使用で肩こりも低年齢化しているそうです。長時間同じ姿勢でいると筋肉が硬くなり骨が曲がりやすくなります。

首・背中・腰・股関節・膝など普段よく動かす関節は、加齢と共に骨に負担がかかる部位です。予防に体操やストレッチで柔軟にしておきましょう。

また、変形した骨は元の状態に戻すのが難しいので姿勢に注意を払うことが大切です。健康寿命をのばしいつまでも元気な体で過ごしていきたいですね。

参考文献

「変形性脊椎症」(日本整形外科学会)

配信元: Medical DOC

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