「浮動性めまいの対策」は何をすればよいかご存知ですか?医師が監修!

「浮動性めまいの対策」は何をすればよいかご存知ですか?医師が監修!

浮動性めまいとは「雲の上を歩いている感じ」・「頭がぼーっとしてふわふわする」という感覚がするめまいで、回転性めまいとは異なる病気です。

浮動性めまいは他人から見ても特に変化がないように捉えられることが多いため、めまいの症状で日頃から悩んでいる人は理解を得られにくく辛い思いをしているでしょう。

めまいは一時的なものであれば特に大きな問題はありませんが、場合によっては緊急性が高い病気が潜んでいる可能性もあるので注意が必要です。

本記事では浮動性めまいについて解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「浮動性めまい」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

甲斐沼 孟

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

浮動性めまいの予防や対策

指を立てる女性

浮動性めまいは完治させられるでしょうか?

浮動性めまいは、しっかりと治療を行えば完治します。まず根本的な原因をしっかりと治療することが大前提です。
脳が原因であればすぐに病院で医師に診てもらい手術や薬物投与など治療を始めましょう。自律神経障害や精神的なものが浮動性めまいの原因になっている場合は、医療機関の受診も必要ですが、自分でストレスにならないような環境づくりも大事です。
浮動性めまいが出ている時は無理せず、日常生活に支障が出ている場合は早めに医師へ相談しましょう。

浮動性めまいのチェック法を教えてください。

まずめまいを感じたら、回転するめまいなのかふわふわする感じなのか感じ方・揺れ方を確認してください。
また歩けるようであれば、直線に沿って歩くことができるかもチェックしましょう。直線に沿って歩けないようであれば平衡感覚がズレており障害が起きていると考えられるため、浮動性めまいを発症している判断の1つになります。
また、めまい以外に症状が出ていないかというのも重要です。耳鳴り・難聴・嘔吐・頭痛・意識障害・呂律が回らない・手足の痺れ・麻痺など、ほかにも症状が出ている場合は医師に必ず伝えてください。

日常生活でもできる対策はありますか?

浮動性めまいを予防するためには、ストレスを溜め込まないことや規則正しい生活を送ることが大切です。
耳や脳が原因で発症した場合にはその病気に対する治療が必要ですが、精神面や自律神経障害などホルモンバランスの乱れで発症するケースも多いので、日常生活から意識することで浮動性めまいを予防できます。
もし自宅でめまいを発症した場合は、まず安静にしましょう。歩ける場合はゆっくり横になれる場所まで歩き、楽な姿勢で横になってください。部屋は静かな場所で、少し照明を暗くするとリラックスできるでしょう。
脱水でめまいが出ることもあるので、こまめに水分補給も行ってください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

浮動性めまいはそれ自体が病気なのではなく、浮動性めまいを引き起こしている要因が必ずあります。脳・耳・全身など様々な原因が考えられます。
どの病気によって浮動性めまいが発症しているのか突き止めることが大事です。そのためにはめまいが出た時にどのようなめまいだったのか、ほかに症状がなかったのかという情報が診断するうえで必要になります。
めまいを発症すると慌ててしまうかもしれませんが、落ち着いてまずは休みましょう。そして、自分の状態をよく観察して医師にしっかり伝えてください。
また浮動性めまいは、ある程度予防することもできます。規則正しい生活を送り、ストレスを溜め込まないよう日頃から意識すると良いでしょう。

編集部まとめ

辛そうな女性
浮動性めまいは他人から見ても分かりづらく、症状に関して理解を得にくいかもしれません。

めまいの症状が辛い場合には無理せず、横になって休んで下さい。そして自分がめまいで辛いということを家族などに相談し、生活に支障をきたしている場合はサポートしてもらいましょう。

浮動性めまいは原因となる疾患が軽症な場合と重症な場合があるので、1人で判断するのは危険です。

めまいがあるだけでなく、めまい以外にも症状を自覚している場合には早めに医療機関を受診しましょう。受診の際は、安全のためにもタクシーなど公共交通機関を利用して下さい。

参考文献

女性の病気について(日本女性心身医学会)

知っているようで知らないめまいのお話し(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)

配信元: Medical DOC

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