国際芸術祭『東京ビエンナーレ2025』が開催中!東京のまちを散歩しながらアートを楽しもう

国内外のアーティストの作品をたっぷり鑑賞!【エトワール海渡リビング館】

東京ビエンナーレ2025_10港 千尋《URBAN RITUAL /Tokyo2025》 エトワール海渡リビング館

日本橋・馬喰町エリアに位置する拠点会場、エトワール海渡リビング館では、1階から7階までの6つのフロア(2階を除く)に、国内外のアーティストによる多彩な作品が展示されています。

鈴木理策、畠山直哉、豊嶋康子らが参加する写真プロジェクト「Tokyo Perspective」や、1400件を超える応募から選ばれた海外アーティスト5組による「SOCIAL DIVE」など、見ごたえのあるプログラムが揃っているのも特徴です。

東京ビエンナーレ2025_11渡辺英司《名称の庭 / エトワール海渡インスタレーション》 エトワール海渡リビング館

渡辺英司による《名称の庭 / エトワール海渡インスタレーション》は、図鑑から切り出された植物や生物の図像を実空間に数多く配置した作品です。数えきれないほどたくさん並べることで、人工的なビルの室内にもうひとつの生命の庭を生み出しています。

東京ビエンナーレ2025_12ナラカ・ウィジェワルダネ《偶発の足跡 — 東京の「想像を絶するもの」マッピング》 エトワール海渡リビング館 

スリランカのビデオアーティストのナラカ・ウィジェワルダネは、東京の交通網や建物、人々などを素材に、複数の大規模な映像インスタレーションを展開しています。

反対方向に進む列車を2面のスクリーンで光や動きに還元したり、東京の日常がピエト・モンドリアンのコンポジション的な画面に再構築するなど、見慣れたはずの都市風景が、全く予見もしない表現として立ち上がる様子を目の当たりにできます。

東京ビエンナーレ2025_13チュオン・クエ・チー/グエン・フォン・リン《BREATHE》 エトワール海渡リビング館

ハノイを拠点とするチュオン・クエ・チーとグエン・フォン・リンは、長年にわたり友情と協働を重ねてきたアーティスト。今回は新たなインスタレーション《BREATHE》において、多様な素材を用いつつ、自律的に息づく身体のように現れる作品を展開しています。赤いブロックを刷り込んだ布が風に翻る光景は、軽やかでありながら切実な余韻を残すことでしょう。

7組の写真家とアーティストが東京の街を歩きながら撮影した「Tokyo Perspective」では、それぞれの視点を通して「東京のいま」を浮かび上がらせています。

東京ビエンナーレ2025_14鈴木理策《解像度について》 エトワール海渡リビング館

またオリジナルプリントの展示にとどまらず、撮影地点を示すデジタルマップもネット上にて公開。鑑賞者が実際にその場所を訪れ、作品の風景と現実の都市を重ね合わせることができます。写真というメディアの新たな可能性を切り拓く、意欲的な試みです。

神田に点在する看板建築でも作品を公開!【海老原商店、角地梱包】

東京ビエンナーレ2025_15海老原商店

「いっしょに散歩しませんか?」をテーマに掲げる『東京ビエンナーレ2025』では、まちを歩きながら作品と出会う楽しさが各地に広がっています。

エトワール海渡リビング館から程近い神田・秋葉原エリアでは、時代の記憶を刻む看板建築が街角に顔をのぞかせています。

東京ビエンナーレ2025_16テントハウス・アートコレクティブ&オーブンネットワーク《その家は見た目より広い》 海老原商店

古着屋として明治時代に創業した海老原商店の扉を開けば、オスロを拠点とするテントハウス・アートコレクティブが、建物の100年の記憶を手がかりにしたプロジェクトを展開しています。関東大震災の復興期に建てられ、いまも当時の趣を残すこの建物は、2020年に景観重要建築物にも指定されました。

東京ビエンナーレ2025_17秋山珠里《金の浮島》 角地梱包

モルタル装飾が印象的な角地梱包では、秋山珠里が蜜蝋による葦とトタンの作品を発表。レトロな空間に浮かぶ黄色の光沢が、変わりゆく東京の土地の記憶を静かに照らし出します。

配信元: イロハニアート

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