中高年を中心に、白内障の手術を経験していたり、これから白内障の手術を受ける予定であったりする方がいるのではないでしょうか。
白内障は加齢とともに進行する病気です。
本記事は、白内障手術後の合併症を解説していきます。
これから手術を受ける予定の方やそのご家族は、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
※この記事はメディカルドックにて『「白内障の手術後」に気を付けることはご存知ですか?術後の見え方も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
柳 靖雄(医師)
東京大学医学部卒業。その後、東京大学大学院修了、東京大学医学部眼科学教室講師、デューク・シンガポール国立大学医学部准教授、旭川医科大学眼科学教室教授を務める。現在は横浜市立大学視覚再生外科学教室客員教授、東京都葛飾区に位置する「お花茶屋眼科」院長、「DeepEyeVision株式会社」取締役。医学博士、日本眼科学会専門医。
白内障手術の合併症

術後の合併症について教えてください。
白内障の手術は、病気によって濁った水晶体を眼内レンズに替える手術です。術後早期の合併症で注意したいものが、感染症です。感染症は悪化すると眼の組織が溶けてしまう恐れもあり、失明のリスクがあります。手術後には患部に眼帯を装着し眼を保護しますが、擦ると傷の悪化につながるため、傷に触れないよう気をつけましょう。ほかにも出血やチン小帯断裂、網膜剥離や角質混濁といった早期合併症があります。寝返りなど姿勢の変化で手術した側の眼が圧迫されると、新しく挿入した水晶体がズレる原因となるため注意が必要です。また、術後数ヶ月以降に起こりうる合併症に、眼内レンズのズレや後発白内障があります。これらの合併症は、再手術が必要なケースがあるため眼の違和感や見え方の変化を感じた場合は、医療機関の受診が必要です。
術後の目薬はいつまで必要がありますか?
術後に使用する点眼薬は、それぞれ抗菌薬と抗炎症薬、消炎鎮痛薬の3種類です。抗菌薬は、感染予防を目的とし、術後1ヶ月まで使用します。抗炎症薬は、眼内の炎症や感染症を抑えるために術後約1〜2ヶ月間使用します。点眼薬のなかで使用期間が長い薬が消炎鎮痛薬です。消炎鎮痛薬は鎮痛の役割も持ちながらも眼内の炎症を抑える働きも持っているため、術後約6ヶ月間は継続して使用します。点眼薬は処方する医師によって薬品名が異なります。不安な場合は、薬剤師に薬の作用や試用期間について確認するとよいでしょう。
編集部まとめ

この記事では、白内障の患者さんが術後に日常生活を送るうえでの留意点について解説しました。
眼は私たち人間が生きていくうえで、大切な感覚器のひとつです。
白内障手術は身体への負担が少ない手術ではあるものの、合併症のリスクがゼロということではありません。
健やかな生活を送るためにも、術後の眼の状態にしっかりと気を配り、少しでも小さな変化を感じたら医療機関を受診するよう心がけましょう。
参考文献
白内障手術後の日常生活の注意点(東京歯科大学水道橋病院眼科)
白内障手術を受ける方へ 知っておきたい白内障術後のケア(公益社団法人日本眼科医会)

