
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、カドコミで連載中の『ヤバイヒトR』をピックアップ。
2025年8月27日に作者の洋介犬さんが本作の第5話をX(旧Twitter)に投稿されたところ、多くの「いいね」と共に反響コメントが寄せられた。本記事では作者の 洋介犬さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■誤読が招く被害者・加害者の逆転悲劇

主人公の誘まねき(さそい まねき)は小さな頃から「ヤバイヒト」を引き寄せる「ヤバイ」体質の持ち主。一見普通に見える人たちも、その口からは戦慄の言葉が流れ出す。凶行、奇行…。あらゆるヤバイヒトに囲まれながらも、まねきは19歳まで無事に生きてきた。
今日は同じマンションに住む消防士が、ニュースの誤読から加害者に仕立てられたと耳にした…。間違った情報がまるで真実のように広がる現実…。ヤバイヒトが渦巻く現代のサイコホラーに読者から「フィクションではなく起こりうる怖さ」「誰もがいきなり悪に仕立て上げられるリスクであふれてる令和」など多くの反響が寄せられている。
■作者・洋介犬さん「言葉の事故は新しい時代の恐怖」

――『ヤバイヒトR』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
同じ掲載媒体での『メメ』が終了した時に、「次はサイコホラーをやりたい」「長いものではなく連作集を」という強い希望があり、担当氏と構築していきました。
――洋介犬さんは多くのサイコホラー作品を手掛けていらっしゃいますが、サイコホラーへのこだわりがあればお教えください。
超常現象系も好きですが、やはり人間という「非常に脆弱な倫理の上でやっと群れとして成立している」存在の「壊れやすさ」を描くのは好きです。
僕の漫画は想像以上にリアリティラインが天然で高くなるようなので、リアルと直結している親和性が高いという特性もあります。
――本作ではさまざまな「ヤバイヒト」が登場します。実際に存在しそうな「ヤバさ」がこの作品の魅力だと思うのですが、「ヤバイヒト」はどこから着想を得ているのでしょうか?
ホラーというのは一種のシミュレートだと思っています。
たとえば新技術や法律も「最も悪用しようとしたらどうなるか」という側面から整えていくのがセオリーなように、道を歩いていても「この状況で起こる最悪なことは何か」と考えたり…。
シチュエーションごとの「最悪の選択・判断」を想像し、物語化している感じです。
――この回では正義の消防士が誤読により「痴漢当事者」だと勘違いされます。このネット社会では誤読による誤情報がとびかっていますが、似たようなご経験はありますか?
炎上した人や団体と似た名前の別人・会社にクレームの電話がかかってくることはしょっちゅうだと聞いています。
他にもたとえば「俳優のAが暴行」だけだとAさんが暴行したのか暴行を受けたのかはわからない。だけど、昨今のネットニュース全盛の「見出し重視主義」ではそういう「言葉の事故」は想像以上に起こっていると思います。
そしてその誤解は0には戻らない…誤解したまま伝播し、デジタルタトゥーになることも…新しい時代の恐怖ではないでしょうか?
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
この物語は連作集でありながら、あるふたつの古典作品をモチーフにしております。
ひとつは「ジキルとハイド」ですが、もうひとつの作品にのっとった展開を見せていきますので、どの古典作品なのか楽しみにしていただければ。
この漫画だからこその「そう来たか!」になると思います!

