和菓子? 洋菓子? クリームを挟んだ新感覚のお煎餅

マジョリカタイルをご存じですか? 1800年代半ばにイギリスで誕生した装飾タイル。日本では大正時代から昭和初期にかけてブームとなり、建物の玄関などに使用されました。花や幾何学模様などのモチーフは色鮮やかで華やかで、まばゆい輝きを放っています。
東京駅周辺でおみやげ探しをしていたとき、マジョリカタイルのパッケージが目に飛び込んできました。「新しい焼き菓子かな?」と近づくと、意外なことに中身はお煎餅。しかも洋風のクリームを挟んでいるというのです。誰かに差し出す前に、まずは自分で味わってみたい。味の種類、箱の種類がいくつかある中から、ビターキャラメルを選んで持ち帰りました。

ほんのり塩気がきいた、パリンと軽やかな薄焼き煎餅と、芳醇でなめらかなキャラメルクリームの、和洋の組み合わせが不思議と調和。ほろ苦く仕上げたキャラメルの風味が、かむほどにふわっと広がる米の甘みを見事に際立たせています。クリームに隠れた、ジャリッと香ばしいキャラメルチップもアクセントに。これは、和菓子か洋菓子か?懐かしいようで新しい!頭の中を、相反する感覚がぐるぐると渦巻き、気がつけば虜に。
合わせるのは日本茶かコーヒーか? 迷った末に、マジョリカタイル発祥のイギリスをイメージして、紅茶と一緒にいただきました。
取材・文/甲斐みのり
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