誰もが一度は感染したことのあるインフルエンザですが、うつる確率はどれくらいか気になる方もいるのではないでしょうか。
インフルエンザは風邪と症状が似ていますが、風邪より重症化するリスクも高く、感染率も高いため予防は大切です。
感染率が高い分、家族が感染した場合どのように対処すればよいのか悩む方もいるでしょう。そこで本記事では、インフルエンザの原因や症状などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「インフルエンザがうつる確率」はどのくらい?感染する期間も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
眞鍋 憲正(医師)
信州大学医学部卒業。信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学教室博士課程修了。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会健康スポーツ医。専門は整形外科、スポーツ整形外科、総合内科、救急科、疫学、スポーツ障害。
インフルエンザの原因や症状

インフルエンザの原因や感染経路を教えてください。
インフルエンザの感染経路は主に2つあります。飛沫感染(咳・くしゃみ・唾液などが飛び散り目や鼻などの粘膜に付着する)
接触感染(感染者に触れる・ドア・つり革・電気のスイッチなどに接触し付着する)
基本的にはこの2つの経路になります。ただし、例外として空気感染することもあるため注意が必要です。空気感染は咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込むことでうつります。
飛沫感染とは違い、その場に人がいなくても蒸発した粒子を吸えば感染します。
どのような症状が出ますか?
インフルエンザの症状は以下のとおりです。38度以上の発熱
悪寒
鼻水・鼻づまり
のどの痛み
たん
筋肉痛・関節痛など
重症化すると気管支炎や肺炎を起こすこともあるため注意が必要です。特に呼吸器疾患や心疾患・糖尿病・腎機能障害などがある方は重症化するリスクが高いといえます。
日頃から感染しないように配慮することが大切です。また、妊婦や乳幼児、高齢者もインフルエンザに感染すると重症化することがあるとわかっています。少しでも異変を感じたら、すぐ医療機関に相談しましょう。
風邪との違いを教えてください。
風邪は細菌によって起こることもありますが、インフルエンザの場合はインフルエンザウイルスによって感染します。風邪の感染経路は飛沫感染と接触感染がほとんどですがインフルエンザは空気感染することもあるでしょう。感染者がくしゃみや咳をすると空気中に飛散されほかの方に感染しやすくなります。風邪の場合4~5日で自然と改善しますがインフルエンザは1週間程かかることもあるでしょう。
また、インフルエンザは高熱が出ることも少なくありません。それだけでなく、のどの痛みや関節痛など全身に症状が現れることもあります。インフルエンザは風邪よりも重症化しやすく合併症を起こすリスクが高いです。
インフルエンザの流行時期はいつですか?
国内では12月頃~4月頃に流行する傾向にあります。インフルエンザはA型・B型・C型があります。D型も存在しますが人間には感染しません。それぞれ流行時期が異なるため気をつけましょう。一般的には12月頃にA型、4月頃にB型、1月~6月頃にC型が流行するといわれています。インフルエンザは寒い時期に流行すると思う方も少なくありませんが、夏に流行することもあるため冬以外も予防対策は必要です。
寒い時期はくしゃみや咳が出ることがあるため感染のリスクは高いです。
編集部まとめ

インフルエンザの感染率は約10%といわれています。10人に1人が感染するリスクの高い病気です。そのため身近な家族が感染するとどう対処すればよいか悩む方も少なくないでしょう。
インフルエンザに感染しないためには、感染経路を断つことが重要です。もし同居している方が感染した場合は予防法を試してみましょう。
それだけでも感染するリスクは下げられます。また、感染したときだけでなく普段から予防を意識しましょう。
きちんとした生活習慣で免疫力を上げておけば、感染したとしても軽症で済み、早く回復する可能性が高くなります。さらにインフルエンザワクチンの予防接種も有効な手段です。
流行する1ヵ月前には予防接種の準備をしておきましょう。一人ひとりが意識することで、自分だけでなく周りの方の感染を防ぐことにもつながります。
参考文献
インフルエンザの見分け分
令和5年度インフルエンザQ&A(厚生労働省)
インフルエンザワクチン(季節性)(厚生労働省)
インフルエンザ(季節性)対策(内閣官房内閣広報室)

