糖尿病検査でわかること

糖尿病の検査項目別にわかることを教えてください
空腹時血糖は、食事をしない状態での血糖値を測る検査で、基本的な血糖異常の有無を知ることができます。HbA1cは、過去1〜2ヶ月間の平均的な血糖コントロールの状況を示し、日々の変動を受けにくいため、安定した指標とされています。尿糖検査では、血糖値が高くなることで腎臓が糖を尿に排泄しているかどうかを確認できます。経口ブドウ糖負荷試験では、ブドウ糖を摂取した後の体内での処理能力を評価し、境界型や耐糖能異常の判定にも役立ちます。また、インスリン分泌量を測る検査によって、1型・2型糖尿病の鑑別や治療方針の決定にもつながります。
糖尿病の検査結果はどのように見ればよいですか?
糖尿病の診断には、複数の検査結果を組み合わせて判断する必要があります。一般的には、空腹時血糖が126mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上であれば、糖尿病が疑われる状態です。一方、空腹時血糖110~125mg/dL、HbA1c5.7~6.4%の範囲は境界型とされ、将来的に糖尿病へ進展する可能性があるため注意が必要です。
編集部まとめ

糖尿病は、早期発見と継続的な管理が合併症予防の鍵を握る病気です。血糖値やHbA1c、尿糖などの検査を通じて、身体のなかでどのような変化が起きているのかを知ることができます。検査は簡単に受けられるものが多く、結果も早くわかるため、気になる症状がある場合は躊躇せずに医療機関を受診することが大切です。検査前日や当日の注意点を守ることで、より正確な結果が得られます。ご自身やご家族の健康を守るためにも、定期的な糖尿病検査を受け、必要に応じて早期の対応を心がけましょう。
参考文献
診断と検査|糖尿病情報センター
糖尿病診療ガイドライン2024|日本糖尿病学会

