
映画好きで知られるお笑い芸人・加藤浩次と映画ライターのよしひろまさみちが、名作映画の魅力を掘り下げる「加藤浩次とよしひろのサタデーシネマ」(毎週土曜朝8:00-11:00、BS10)。10月25日(土)の放送では、俳優・船越英一郎が1984年公開の野球映画「ナチュラル」を紹介した。野球映画でありながらサスペンスの要素も併せ持つ本作は、世代を超えて語り継がれる名作として知られている。
■船越英一郎も惚れ込む名作中の名作「ナチュラル」
船越は番組の冒頭、「映画に僕らが求めている要素がすべて入っている。素晴らしい名作中の名作」と同作の魅力を力強く語った。原作は1952年に出版された小説「ザ・ナチュラル」。映画では、ある選手が女性に銃撃されるという衝撃的な場面から幕を開ける。これは実際に起きた事件をモチーフにしており、サスペンス的な緊張感の中から主人公が奇跡の復活を遂げる姿が描かれていく。
よしひろはこの構成について「こんな山場を冒頭に持ってくるって、反則中の反則ですからね」としつつも、「野球をテーマにした作品は数多くあるが、その中でも異色で屈指の名作」と太鼓判を押す。一方、加藤は「当時、ブレイクダンスという作品と同時上映されていた。ブレイクダンスを観たついでにナチュラルを観たが、当時は“なんじゃこれ”と思った記憶がある」と懐かしそうに振り返った。
番組後半では、「ナチュラル」というタイトルの意味にも議論が及んだ。よしひろは「ナチュラルというよりは、超自然現象を意味する“スーパーナチュラル”に近い。逆張りのタイトルだなと思った」と独自の視点を展開。これに対して加藤は「主人公の実直に生きる姿こそがナチュラルなのでは?」と応じ、よしひろがその解釈に「すごい綺麗!」と感嘆するひと幕もあった。スタジオには温かい笑いが広がり、作品が持つ多面性が話題に。
「ナチュラル」は単なるスポーツ映画ではなく、敗北や挫折からの復活という普遍的なテーマを描いた作品だ。冒頭の銃撃事件から奇跡の復活へという展開は、まるで人生の縮図のようでもある。原作では“主人公の道徳観が欠落している”とされる部分が映画版では“再生の物語”として再構成され、ラストの光景には観る者の心を強く揺さぶる力がある。
名作の本質を再発見させてくれるような深い映画談義も魅力の「加藤浩次とよしひろのサンデーシネマ」に今後も注目したい。
■「ナチュラル」ストーリー
ネブラスカ。母を亡くした少年ロイは、父とのキャッチボールが一番の楽しみだった。ところがある時、大好きだった父は突如この世を去ってしまう。ロイは庭の樫の木でバットを作り、かつて父がロイの野球センスを称えて付けてくれたニックネーム“ワンダーボーイ”の名を刻み、プロの野球選手になることを心に誓う――。やがて二十歳になったロイはシカゴ・カブスからの誘いを受け、恋人アイリスに別れを告げてシカゴに旅立つが…。


