変形性膝関節症は、治療をせずに放置するとどんどん症状が進行していきます。症状が進むにつれ、治療法も変わっていき、最終的には手術が必要になることも。今回は変形性膝関節症の症状はどのように進んでいくのかについて、増本整形外科クリニックの増本先生に教えてもらいました。

監修医師:
増本 項(増本整形外科クリニック)
1985年慶應義塾大学医学部卒業。元・慶應義塾大学病院スポーツクリニック講師。元・日本女子体育大学スポーツ医学助教授。日本整形外科学会専門医、日本スポーツ協会スポーツドクター、日本整形外科学会スポーツ認定医、アメリカスポーツ医学会会員、日本臨床スポーツ医学会会員。
編集部
変形性膝関節症を発症すると、どのような症状が見られますか?
増本先生
初期で見られる代表的な症状は、起き上がるときや歩き出すときなど、動き始めに膝のこわばりや痛みを感じることです。動き始めてしばらくすると、それらの症状は消えるという特徴があります。
編集部
その後、症状はどのように進みますか?
増本先生
痛みが慢性化するようになり、日常生活に影響が及び始めます。特に、階段を上り下りしたり、正座をしたり、立ち上がったりするときに膝が痛むことが多くなります。また、膝が腫れたり、熱を持ったりすることもありますし、人によっては膝に水が溜まったりすることもあります。
編集部
なぜ、膝に水が溜まるのですか?
増本先生
変形性膝関節症になると関節軟骨がすり減り、剥がれ落ちた破片が炎症を惹起する炎症性タンパク質(サイトカイン)を作ります。それによって関節を覆っている関節包の内側(滑膜)に炎症が起こります。すると関節液が多量に分泌されることになり、膝に水が溜まってしまうのです。このように、膝に水が溜まることを膝関節水腫といいます。
編集部
末期になると、どのような症状が見られるのですか?
増本先生
安静にしていても痛みが取れず、夜も痛みのために眠れないことがあります。また、膝の変形も目立ち、膝をまっすぐ伸ばすことができなくなるため、歩行が困難になります。そのほか、しゃがんだり、階段を上り下りしたりする動作もますます難しくなり、日常生活に大きな影響を及ぼします。
※この記事はMedical DOCにて<【最終手段】膝の痛みで手術が必要な人とはどんな人? 重症度別に治療法を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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