「緑内障は喫煙で悪化する」という話を耳にしたことはありませんか? そのほかにも「逆立ちやうつ伏せになると緑内障を発症する」という話もあります。こうした緑内障に関する説は、果たして本当でしょうか。緑内障を予防するために日常的に気をつけることについて「小江戸眼科内科 白内障・緑内障・糖尿病クリニック」の庄司先生に教えていただきました。

監修医師:
庄司 拓平(小江戸眼科内科白内障・緑内障・糖尿病クリニック)
防衛医科大学校卒業。その後、防衛医科大学校病院専門研修医、行定病院眼科医長、埼玉医科大学眼科准教授などで経験を積む。2022年、埼玉県川越市に「小江戸眼科内科白内障・緑内障・糖尿病クリニック」を開院。医学博士。日本眼科学会専門医、日本緑内障学会評議員、日本視野画像学会評議員、日本レーザー医学会評議員、日本眼科手術学会学術委員。日本網膜硝子体学会、日本眼光学学会、米国眼科学会(AAO)、米国緑内障学会(AGS)の各会員。埼玉医科大学眼科客員教授。
編集部
緑内障を予防するために、気をつけた方がいいことはありますか?
庄司先生
緑内障は40歳を境に、発症が増えてきます。そのため、40歳を過ぎたら定期的に眼科で検査を受けることをおすすめします。
編集部
眼圧を測ってもらえばいいのでしょうか?
庄司先生
もちろん、眼圧値は緑内障と非常に強く関連する重要な指標の1つです。とはいえ、緑内障は眼圧が高くなることで発症する場合と、眼圧が正常であるにもかかわらず発症する場合があります。特に日本人は後者の割合が非常に多く、緑内障患者全体の7割を占めるという報告もあります。そのため、眼圧検査だけでなく眼底検査や視野検査もおこない、正しく診断することが必要です。
編集部
そのほか、気をつけるべきことはありますか?
庄司先生
日常生活では定期的に目を休め、疲労を溜めないことも重要です。「サングラスをすると緑内障を予防できる」「サプリメントや食事で緑内障を予防できる」という話もありますが、それらの真偽は定かではありません。医学的根拠をもとに述べると、緑内障と生活習慣の関係はまだまだ不明な点も多いのが現状です。早期発見に努めるために、まずは定期的に検診を受けることが最も重要であると考えます。近年の医療機器の発展により、かなり早期の緑内障から検出可能になってきた一方で、「緑内障を発症しているにもかかわらず未治療のケースが9割に達する」という報告もあります。早期の段階で発見して適切な治療をおこなえば、ほぼ全ての患者さんが緑内障による失明を免れることができると考えられています。なにか心配なことがあれば、一度眼科に相談することをおすすめします。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
庄司先生
緑内障は、日本における中途失明原因圧倒的第1位の病気です。近年は進行を抑制する治療選択肢が増えているものの、いったん失われた視野や視力は戻すことができません。緑内障と診断されたとしても早期であれば適切な治療をおこなうことにより、ほぼ全ての人が一生涯見えにくさを自覚することなく過ごすことが可能です。ウェブサイトなどで緑内障と生活習慣の関連性は色々と提唱されていますが、医学論文や最新の医学研究においても、多くの生活習慣と緑内障の関連性は未だ明白ではありません。ご自身が緑内障を心配されるのであれば、まずは一度眼科を受診することが最も確実な予防法だと思います。
※この記事はMedical DOCにて<「緑内障」の人がやってはいけないことはご存じですか? 発症リスクが高まる“NG行動”も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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