アフターピルはなぜ高すぎる? “1万超え”の現実と「市販化」でどう変わるか【医師監修】

アフターピルはなぜ高すぎる? “1万超え”の現実と「市販化」でどう変わるか【医師監修】

アフターピルは保険適用外のため、費用は全額自己負担となります。現在は医療機関での処方が必要で、診察料と薬剤費がかかります。都市部と地方での価格差も見られ、経済的な理由による入手困難が課題となっています。

村田 憲保

監修医師:
村田 憲保(医師)

【資格】
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
母体保護法指定医

アフターピルの値段は?

アフターピルは保険が適用されず、費用は自費での負担となります。価格は処方する医療機関や薬の種類によって差があり、入手しやすさに影響しています。

現在の処方による費用

現在、日本でアフターピルを入手する場合は医師の処方が必要であり、その費用は自費診療となります。クリニックや病院によって価格設定は異なりますが、一般的に薬剤費と診察料を含めて10,000円〜20,000円程度の費用がかかります。この価格には、初診料、処方箋料、薬剤費が含まれています。

都市部と地方では価格差も見られ、競争の激しい都市部では比較的抑えた価格設定のクリニックも存在します。一方、地方では選択肢が限られるため、価格競争による低価格化が進みにくい傾向があります。また、休日や夜間の受診では、時間外診療料が加算されることも多く、総費用がより高額になる場合があります。

緊急性の高い薬剤であるにも関わらず、これらの費用負担が入手の障壁となっているケースも指摘されています。特に学生や経済的に困窮している女性にとって、この費用負担は決して軽いものではありません。経済的理由による入手困難は、意図しない妊娠のリスクを高める要因となっており、社会的な課題として認識されています。

市販化による価格変化の予測

アフターピルが市販化された場合、価格にはどのような変化が予想されるでしょうか。海外の事例を見ると、市販化により診察料が不要となるため、総コストは現在よりも低くなる可能性があります。薬剤の製造原価自体は大きく変わらないものの、流通コストの削減や競争による価格低下が期待されます。

ただし、市販化初期には安全確保のための体制整備コストが価格に反映される可能性もあります。薬剤師による詳細な相談対応や、適正使用のための啓発活動などにかかる費用が、薬価に含まれることも考えられます。

長期的には、需要の増加による大量生産効果や、複数メーカーの参入による価格競争により、より手頃な価格での提供が実現する可能性があります。海外では市販化により価格が30〜50%程度低下した事例もあり、日本でも同様の効果が期待されています。ただし、適正な利益確保と安全性維持のバランスを取った価格設定が重要です。

まとめ

アフターピルは女性の緊急時における重要な選択肢であり、その市販化は多くの女性にとって大きな意味を持ちます。適切な効果や値段、入手方法について正しい知識を持ち、必要なときに適切に利用できる環境の整備が求められています。また、性犯罪被害者への支援においても、アフターピルへのアクセス改善は重要な要素となります。
今後の試験販売や制度整備を通じて、より良い緊急避妊環境の実現が期待されます。

参考文献

厚生労働省 – 「「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく薬局における調剤」及び「薬局・店舗販売業の店舗における要指導医薬品たる緊急避妊薬の販売」について

日本産科婦人科学会 – 緊急避妊法の適正使用に関する指針

内閣府 – 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

厚生労働省 – 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく緊急避妊に係る取組について

日本薬剤師会 – オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤について

配信元: Medical DOC

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