家庭内でのインフルエンザ感染対策

家族がインフルエンザを発症するとほかの家族も感染しやすくなりますか?
家族がインフルエンザを発症した場合、同居している家族への感染リスクは高くなります。コロナ禍前は、インフルエンザが家族内感染する確率は約20%とされていましたが、コロナ禍では、約50%と報告されました。これは感染者に接触する時間が増えると感染率が増加することがわかります。
感染者の発症前日から発症後1〜2日間は特にウイルス量が多く、6〜7日かけて減少していきます。家庭内感染を完全に防ぐことは困難ですが、適切な対策を講じることで感染リスクを下げることは可能です。
参照:『パンデミックH1N1インフルエンザに関連する推定疫学的パラメータと罹患率』(CMAJ 第182巻 第2号,pp.131-136,2010)
家庭内でのインフルエンザ感染対策を教えてください
家族がインフルエンザを発症した場合は、可能な限り感染者を個室で療養させることが基本です。看病する方は最小限にし、できれば1人に限定します。また、看病する方および感染者もマスクを着用することで、ウイルスの飛散を防ぐことができます。部屋の換気を定期的(1〜2時間ごと)に行うことも重要です。また、共用物の使用は避け、食器やタオルなども分けて接触機会を少しでも減らすようにしましょう。
家族がインフルエンザを発症したときに抗インフルエンザ薬の予防投与を受けることはできますか?
抗インフルエンザ薬の予防投与は可能ですが、誰でも受けられるわけではありません。予防投与の対象となるのは、インフルエンザ患者さんと同居・共同生活をしていて、インフルエンザに感染すると重症化するリスクが高い方に限られます。
具体的には、以下のような方が対象です。
65歳以上の高齢の方
慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患、腎機能障害のある方
また、予防投与は、感染者と接触してから48時間以内に開始する必要があります。代表的な抗インフルエンザ薬であるオセルタミビルリン酸塩、ザナミビル水和物、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物などが使用されます。予防投与の効果は約70〜90%とされています。
また、予防投与は原則として自費診療となるため、費用負担が発生します。予防投与を希望する場合は、かかりつけ医に相談し、リスクと利益を十分に検討した上で判断することが大切です。
編集部まとめ

インフルエンザは毎年冬に流行する感染症で、適切な予防対策により感染リスクを下げることができます。特に効果的な予防法は、流行前のワクチン接種です。完全な予防はできませんが、重症化を防ぐ効果が期待できます。日常生活では、手洗いの徹底、マスクの着用、十分な睡眠と栄養、適度な運動など、基本的な健康管理が重要です。インフルエンザは誰もがかかる可能性がある病気ですが、一人ひとりが適切な予防対策を実践することで、自分自身と周囲の人々を守ることができます。
参考文献
『インフルエンザ』(国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト)
『インフルエンザ施設内感染予防の手引き』(厚生労働省)
『新型インフルエンザワクチン接種事業(平成22年度)に関するQ&A』(厚生労働省)

