「脳出血の症状」はご存知ですか?初期症状やなりやすい人の特徴も医師が解説!

「脳出血の症状」はご存知ですか?初期症状やなりやすい人の特徴も医師が解説!

脳出血を発症する原因

高血圧

脳出血の最大の原因は、長期間にわたり血圧が高い状態が続く「高血圧」です。高血圧は、脳の深い部分にある細い血管の壁に常に強い力を与え続け、血管を傷つけ、弾力性を失わせてもろくします(細動脈硬化)。このもろくなった血管が、特に朝の血圧上昇やストレス、排便時のいきみなどをきっかけに破れ、脳出血を引き起こします。
高血圧自体は、脳出血を発症するまでほとんど自覚症状がないことが多いため、「サイレントキラー(静かなる殺人者)」とも呼ばれます。定期的な健康診断や自宅での血圧測定を怠らないことが極めて重要です。ごくまれに軽い頭痛や肩こりとして現れることもありますが、これらの症状が出た時点では、既に脳血管の損傷が進行している可能性があります。
治療は、内科または循環器内科で血圧管理を行います。血圧を下げる薬(降圧薬)は、自己判断で中断すると、血圧が急上昇して脳出血のリスクを高めることもあるため、医師の指示に従い継続的に服用してください。

脳血管の異常・出血傾向

高血圧以外の原因として、若い人に脳出血を引き起こす重要な原因に、脳動静脈奇形や海綿状血管腫といった脳血管の生まれつきの異常があります。これらの異常な血管の塊は、構造的にもろく、血圧の負荷に弱いため、破れやすい性質を持っています。
また、特に高齢者の脳の表面に近い出血の原因として、脳アミロイド血管症が挙げられます。これは、異常なタンパク質(アミロイド)が血管の壁にたまり、血管をもろくする病気です。
さらに、心臓の病気(心房細動など)の治療のために、抗凝固薬や抗血小板薬(血液をサラサラにする薬)を服用していると、血管が破れた際の出血量が多くなり、脳出血のリスクが高まります。
血管の異常は、出血するまで症状が出ないことが多く、初めての出血により発見されるケースも少なくありません。出血した場合は、原因の病気によっては緊急的な手術が必要になることがあります。血液をサラサラにする薬を服用中の患者さんは、少しの打撲や頭痛でも、すぐに医師に相談し、薬を飲んでいることを必ず伝えてください。特に脳出血が発症した場合、薬の影響を中和する治療(拮抗薬の投与)を迅速に行う必要があるため、何の薬を飲んでいるかという情報は命に関わります。

基礎疾患としての生活習慣病

脳出血の根本原因である動脈硬化を悪化させるのが、高血圧に加えて、糖尿病、心臓病、慢性腎臓病といった生活習慣病です。これらの持病は、血管に与えるダメージを相乗的に高め、脳の血管が破れるリスクを大幅に上昇させます。特に糖尿病は、全身の細い血管を傷つけるため、高血圧と合併すると、脳出血のリスクが非常に高まります。
これらの生活習慣病は、病気が進行するまで目立った症状がないことが多いため、定期的な検査と管理が予防につながります。内科で治療を受けるようにしましょう。脳出血予防は、単に血圧を下げるだけでなく、血糖値や脂質の異常、腎機能など、多方面からの治療が必要なので、主治医と協力して治療計画を立てることが重要です。

脳出血を発症しやすい人の特徴

高血圧のコントロールが不十分な人

脳出血は、特に40代後半から60代の男性に多く見られます。この年代は、社会的なストレスや過労、生活習慣の乱れが重なりやすく、高血圧の発見が遅れたり、治療が中断されたりしがちです。体型としては、内臓脂肪の蓄積による肥満体型やメタボリックシンドロームを合併している人は、血圧が高くなりやすいためリスクが高まります。
発症しやすい生活習慣には、塩分の過剰摂取や喫煙、お酒の飲み過ぎが挙げられます。食事の塩分が多いと血液量が過剰になり、血管に持続的に高い負荷がかかります。また、タバコに含まれるニコチンなどが血管を縮め、動脈硬化を急速に早めるため、リスクが飛躍的に高まります。さらに、慢性的な大量飲酒は血圧を上昇させ、血管にダメージを与えます。
対策としては、毎日決まった時間に血圧を測定し、常に主治医と相談しながら適切な範囲(目標値)にコントロールするようにしましょう。また、減塩食を実践し、適度な有酸素運動を続けることも心がけましょう

ストレスや環境要因

過重労働や精神的ストレスが多い現役世代は、交感神経が優位になりやすいため、血圧が不安定になりやすい傾向があります。また、高齢者は自律神経の調節機能が低下しているため、寒暖差による血圧の急な変動に弱くなります。
発症しやすい生活習慣には、慢性的な過労・睡眠不足、温度差による急激な血圧変動(ヒートショック)、排便時などの過度ないきみなどが挙げられます。慢性的に疲れていると、ストレスホルモンが継続的に分泌され、血圧を上昇させます。また、冬場の寒い脱衣所から熱い風呂に入るなど、急激な寒暖差は血管を強く収縮させ、もろくなっている血管が破れるきっかけになります。さらに、過度ないきみがあると、一時的に急激な血圧上昇を引き起こし、出血の原因となることがあります。
対策としては、十分な睡眠時間を確保し、リラックスできる時間を持つことで、自律神経のバランスを保つように心がけるのが良いでしょう。また、冬場でも居室や浴室、トイレなどの温度を一定に保つ(脱衣所を温めるなど)生活環境を整えることも重要です。

基礎疾患の既往歴と服薬状況

糖尿病、慢性腎臓病、心房細動の既往歴がある人は、年齢や体型にかかわらず、全身の血管にダメージが蓄積している状態であるため、脳出血のリスクが高い状態です 。
血液サラサラの薬を自己判断で中止・増量することは、脳卒中の予防治療では最も危険な行為の一つです。医師の指示通りに服用しないと、脳梗塞または脳出血のどちらかのリスクが不必要に高まります。また、飲水を十分に行うことも重要で、特に高齢者は、脱水傾向になりやすく、血液粘度の上昇や血圧の急変に繋がりやすくなります。
複数の慢性疾患(高血圧、糖尿病、心疾患など)があっても、各専門医と連携し、総合的な治療計画に従い、薬を正確に服用することで脳出血のリスクを低くすることができます。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。