
関西珠算学院は、留学生の小学5年生、バーン・ロイダー・美愛(ミア)さんが、同学院開発の「両手そろばん」を学んでわずか半年で、日商そろばん3級(日商珠算検定3級)に合格したことを発表。一般的に、3級合格までには9割の人が2~3年以上かかる(※1)ため、半年での合格は快挙といえる。
初心者にもわかりやすい「両手そろばん」

美愛さんはオーストラリアからの留学生で、日本語も九九もおぼつかない状態から、毎日50分間「両手そろばん」による練習を継続して実施。わずか半年後に3級に挑戦し、ほぼ満点という高得点で合格した。「(前略)オーストラリアに戻っても、そろばんは続けたい」と意欲的だ。


「両手そろばん」は、右手のみで操作する通常のそろばんとは異なり、左右の手で異なる珠(たま)を操作する。左右の手をバランスよく使うことで脳が活性化されるため、計算スピードは片手操作の2倍以上。自然と頭の中で珠の動きをイメージするようになり、暗算能力が大きく向上するという。

関西珠算学院の学院長である大屋雅世さんによれば、従来の片手で行うそろばんの操作は幼児や学習に困難を抱える子どもにとっては複雑で理解しづらい方法だったという。一方、両手を同時に使って一度で操作できる「両手そろばん」は動作が直感的でわかりやすく、初心者にも適した学習法とのこと。
実際に関西珠算学院は、冒頭で述べた半年での3級合格だけでなく、2023年に「そろばんコンクール中学2年生の部」で全国1位を輩出するという実績も残している。
教育理論を応用した教材を使用

関西珠算学院では、子どもたちが学びやすくなるよう体系化した、独自開発の「両手そろばん」の教材を使用している。見取り算やかけ算、わり算の基礎・応用を段階的に合計10冊で学ぶカリキュラムで、そろばん初心者から3級以上の実力を身につけることが可能だ。
教材は「ピクチャー・スーパリオリティ効果(Picture Superiority Effect)」や「デュアル・コーディング理論(Dual Coding Theory)」などの教育理論を応用して設計。子どもたちが直感的に理解できるよう、イラストやパラパラ漫画などを取り入れており、数字に苦手意識を持つ子どもでも楽しく学べるよう工夫されている。また、二次元コードを掲載しており、動画で学ぶことも可能だ。
