孫が生まれてからというもの、わが家は毎日がにぎやかです。そんな中、最近あった出来事が、思わず笑ってしまうと同時に、将来についても考えさせられるものとなりました。
成長を感じる瞬間
ある日、私が孫に「やさしいお兄ちゃんだね」と声をかけたのは、孫が弟に哺乳瓶でミルクを飲ませていたときのことでした。ほんの少し前まで、自分自身が哺乳瓶でミルクを飲んでいた孫。その姿に成長を感じて目を細めていたところ、娘(孫の母親)が「ダメよ」と注意しました。
孫は「できる!」と主張し、娘は「無理!」と、ゆずりません。実はこの押し問答は、おむつ替えがきっかけでした。ミルクをあげるのとは違い、おむつ替えは排泄物で手が汚れる可能性があり、娘はかたくなにやらせようとしなかったのです。
孫が欲しがった意外なもの
ある日、孫を連れて近所のドラッグストアへ出かけたときのこと。「何か欲しいものはある?」と私が尋ねると、孫は迷わずおむつの棚を指さしました。幼いながらも「おむつ」という字を読める孫。ところが指さしたのは、赤ちゃん用ではなく「大人用のおむつ」だったのです。
私が笑いながら「これが欲しいの?」と聞くと、孫は真剣な表情で「うん」とうなずきました。そこで「これは大人用だよ」と言うと、孫はこう言ったのです。
「知ってるよ。おじいちゃんのおむつ替えをやらせて!」
思わぬ返答に、私は言葉を失いました。私はまだ50代半ばで、大人用おむつなど必要ありません。それでも孫にとっては「誰かの世話をしたい」という純粋な気持ちがあったのでしょう。

