くも膜下出血は脳出血の1種で、発症すると死亡率50%といわれる怖い病気です。処置が遅いと再出血することもあり、後遺障害のリスクもあります。
年齢が高くなるほど発症が多くなり、中年期以降は気を付けなければならない病気の1つです。発症すれば、できるだけ早く病院で処置できるかが明暗を分けます。
できるだけ発症しないように、普段から気を付けて予防することが大切です。ここでは、くも膜下出血予防方法を紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「くも膜下出血」とは?原因や前兆となる症状についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。
くも膜下出血を予防するために

くも膜下出血はどれくらいの割合で発症しますか?
日本においては、くも膜下出血の発症は年間約3万人です。年齢が高くなるほど発症が多くみられ、50代から発症する方が急増する傾向にあります。特に女性の発症が約7割と報告されています。
くも膜下出血の最大のリスク因子は高血圧です。この他、喫煙や飲酒も原因と考えられています。
くも膜下出血の発症は、1年で人口10万人に対し約10~20人ですが、若い方の多い都市部においては、発症の割合は低くなります。
前兆となる症状はあるのでしょうか?
めまい・嘔吐・視力低下・意識低下などが前兆となる症状です。前兆ですから、一旦は治まりますが、そのあと発症することが多くあります。
この前兆があったときに、すぐに病院にいけば生存率は格段に高くなります。前兆症状があったときに受診すれば、生存率は約8割です。
反対に、受診せずに発症し、意識不明で病院に運び込まれたケースでは、生存率2割以下ともいわれています。
くも膜下出血は予防できますか?
一般的に、くも膜下出血は「突然前触れなく起こる」と考えられてきました。しかし、現在は前兆症状も知られており、予防も可能だと考えられています。
くも膜下出血の2大リスクは高血圧と喫煙です。特に、血圧が高めの方は、普段から血圧に注意して、異常があれば受診するようにしましょう。自分で血圧をコントロールすることが大切です。
食事にも気を付け、禁煙をすることも予防に繋がります。血圧の高い方は、定期的にMRIの検査をおすすめします。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
くも膜下出血は早期治療が明暗を分けます。前兆となる頭痛に襲われたら、迷わずに救急車を呼んでください。一旦頭痛が治まっても、そのままにしておくと最悪の事態を招く恐れがあります。
意識が低下したときには、遠慮せずに周囲の人の助けを求めましょう。
早期治療ができると、後遺症なしに社会復帰ができる可能性が高まります。
また、高血圧など不安のある方は、定期的に人間ドックなどで健診を受けることもおすすめです。
編集部まとめ

くも膜下出血について説明しました。「くも膜下出血を起こしたら、助かっても後遺症が残る」と考える方も少なくありません。
しかし、前兆があったときにすぐに病院で受診すれば、生存率は格段に上がります。後遺症もなく、社会復帰できる可能性は大きいです。
先ずは「高血圧の治療をして、食事や禁煙に気を付ける」ことが、予防に繋がります。
参考文献
くも膜下出血|大西脳神経外科病院
くも膜下出血(破裂動脈瘤)|秋田県立循環器・脳脊髄センター くも膜下出血の前兆や症状、原因|神戸市垂水区の神戸脳ドック
