いわゆる自然派の思想にハマっていった聡子の批判はエスカレート。予防接種は「毒を打ち込む」、肉は「死骸」、牛乳は「牛の子どもの母乳」と強い言葉で全てを否定します。
息子・るいの喜びの瞬間を投稿しても必ず批判がセットになり。主人公・さやかは「自分が間違っているのか」という自己否定のループにおちいって…。
予防接種にも批判めいたDMが
聡子からのメッセージが来るたびに、スマホを持つ手が震えるようになったのは、大袈裟じゃなくて本当の話。
特に、るいの健康と成長に関わることについては、聡子の口調はどんどん強くなっていった。初めての予防接種のストーリーをアップした時なんて、すぐに長文のDMが来たの。
「ワクチンは絶対ダメ!私はねあれがどれだけ危険なものか、もう知っているから。るいくんの免疫力をわざわざ下げて、将来にわたって毒を打ち込むなんて、本当にやめてあげてね。まだ間に合うから、次の接種はキャンセルしてね」
私はただ、「るいの健康のために」って、小児科の先生の指示通りにしているだけなのに。それを「毒を打ち込む」なんて言われると、まるで私がるいを傷つけているみたいで嫌なものです。
でも、るいの保育園生活や、将来の集団生活のことを考えると、予防接種をしない選択はしたくありませんでした。だから、この時は「いろいろ調べてくれてありがとう。でも、主治医と相談して決めたからね」って、すごく気を遣って返信しました。
離乳食は順調だったけど、また批判され…
注射については言い返したらさらに言ってくることはなかったのですが、今度は食事について。
るいは離乳食からずっとお肉が好きで、最近は豚肉や牛肉の炒め物をパクパク食べてくれるのが私のちょっとした自慢でした。その夕飯の写真をストーリーにあげた時も、すぐに反応がきて…。
「さやかちゃん、お肉は子どもに与えちゃダメ。タンパク質は植物からとろうよ。牛や豚がどんなに悲しい思いをして、どんな環境で育てられているか知ってる?彼らも命ある生き物だよ。わが子に動物の死骸を食べさせるの?」
「死骸」って言葉が、私の心臓にグサッと刺さった。私が愛情を込めて作った料理が、一瞬で汚いものに思えてきて。

