アフターピルは性交後72時間以内に服用することで、排卵の抑制や遅延により高い避妊効果を発揮します。服用が早ければ早いほど効果が高まるため、できるだけ迅速に入手して服用することが重要となります。

監修医師:
村田 憲保(医師)
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
母体保護法指定医
アフターピルの効果
アフターピルの効果について詳しくみてみましょう。
緊急避妊のメカニズム
アフターピルの避妊効果は、主に排卵の抑制または遅延によって発揮されます。有効成分であるレボノルゲストレルは黄体ホルモンの一種であり、脳下垂体に作用して排卵を抑制することで受精を防ぎます。排卵後に服用した場合でも、子宮内膜への着床を阻害する効果があるとされています。
服用時期によって効果の発現機序は異なります。排卵前に服用した場合は主に排卵抑制効果が、排卵直後に服用した場合は着床阻害効果が主となります。ただし、既に着床が完了している場合には効果は期待できないため、できるだけ早期の服用が重要となります。
このメカニズムにより、アフターピルは受精や着床を防ぐことで妊娠を回避します。重要な点は、既に成立している妊娠を中断する作用はないということです。つまり、アフターピルは緊急避妊薬であり、人工妊娠中絶薬ではありません。この違いを正しく理解することが、適切な使用につながります。
効果的な服用時期と成功率
アフターピルの避妊効果は、性交後の服用時期に大きく依存します。適切なのは性交後24時間以内の服用であり、この場合の避妊成功率は約95%とされています。しかし、時間の経過とともに効果は低下し、48時間以内では約85%、72時間以内では約58%程度まで低下します。
現在使用されているレボノルゲストレル製剤は、性交後72時間以内の服用が推奨されていますが、効果は時間とともに直線的に低下します。そのため、「72時間以内なら大丈夫」という認識ではなく、「1時間でも早く」という意識での服用が重要です。
ほかにも、120時間(5日)以内まで有効とされるウリプリスタール酢酸エステル製剤も使用されており、より長時間の有効性が確認されています。選択肢の拡大により、より多くの女性が効果的な緊急避妊を受けられる可能性があります。服用時期による効果の違いを正しく理解し、適切なタイミングでの使用を心がけることが大切です。
まとめ
アフターピルは女性の緊急時における重要な選択肢であり、その市販化は多くの女性にとって大きな意味を持ちます。適切な効果や値段、入手方法について正しい知識を持ち、必要なときに適切に利用できる環境の整備が求められています。また、性犯罪被害者への支援においても、アフターピルへのアクセス改善は重要な要素となります。
今後の試験販売や制度整備を通じて、より良い緊急避妊環境の実現が期待されます。
参考文献
厚生労働省 – 「「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく薬局における調剤」及び「薬局・店舗販売業の店舗における要指導医薬品たる緊急避妊薬の販売」について
日本産科婦人科学会 – 緊急避妊法の適正使用に関する指針
内閣府 – 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
厚生労働省 – 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく緊急避妊に係る取組について
日本薬剤師会 – オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤について

