アフターピルは高い避妊効果を持つ一方で、100%妊娠を防げるわけではありません。24時間以内の服用でも約5%の妊娠率があり、時間の経過とともに効果は低下していきます。吐き気や頭痛などの副作用も報告されており、緊急避妊薬であって定期的な避妊方法の代替とはならないことを理解しておく必要があります。

監修医師:
村田 憲保(医師)
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
母体保護法指定医
アフターピルの効果と限界
効果は高いものの100%避妊を保証するわけではなく、時間の経過とともに成功率が下がります。また副作用や月経周期への影響なども理解しておく必要があります。
避妊効果の実際と期待値
アフターピルの避妊効果について正確に理解することは、適切な使用のために重要です。完璧な避妊方法ではないということを理解したうえで使用する必要があります。効果的とされる24時間以内の服用でも、約5%の妊娠率があることを認識しておきましょう。
また、アフターピルの効果は個人差があることも理解しておく必要があります。体重、年齢、月経周期の時期、服用している他の薬剤などにより効果に差が生じる可能性があります。一部の研究では、体重やBMIが高い女性では効果が低下する可能性が指摘されており、このような場合には医師との相談がより重要となります。
効果の判定は、次回月経の来潮によって行われます。通常、アフターピル服用後3週間以内に月経が来れば妊娠していない可能性が高いとされています。しかし、月経の遅れや不正出血が見られる場合には、妊娠検査や医師への相談が必要です。効果の限界を理解し、適切なフォローアップを行うことが重要です。
副作用と使用上の注意
アフターピルには一定の副作用があります。副作用として吐き気(約15〜25%)や頭痛、めまいなどが報告されています。これらの症状は通常軽度で一過性ですが、症状が強い場合や持続する場合には医師への相談が必要です。
服用後2時間以内に嘔吐した場合、薬剤が十分吸収されていない可能性があるため、追加服用を検討する必要があります。このような場合には必ず医師に相談し、適切な対応を受けましょう。
アフターピルは緊急避妊薬であり、定期的な避妊方法の代替として使用すべきではありません。頻繁な使用により月経周期の乱れや、将来的な妊娠への影響が懸念されます。アフターピル使用後は、継続的で確実な避妊方法について医師と相談し、適切な避妊計画を立てることが推奨されています。
まとめ
アフターピルは女性の緊急時における重要な選択肢であり、その市販化は多くの女性にとって大きな意味を持ちます。適切な効果や値段、入手方法について正しい知識を持ち、必要なときに適切に利用できる環境の整備が求められています。また、性犯罪被害者への支援においても、アフターピルへのアクセス改善は重要な要素となります。
今後の試験販売や制度整備を通じて、より良い緊急避妊環境の実現が期待されます。
参考文献
厚生労働省 – 「「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく薬局における調剤」及び「薬局・店舗販売業の店舗における要指導医薬品たる緊急避妊薬の販売」について
日本産科婦人科学会 – 緊急避妊法の適正使用に関する指針
内閣府 – 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター
厚生労働省 – 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に基づく緊急避妊に係る取組について
日本薬剤師会 – オンライン診療に伴う緊急避妊薬の調剤について

