金持ち自慢するマウント女が知らない、聞き役友人の“秘密”|粘着マウント女友達から解放された話

金持ち自慢するマウント女が知らない、聞き役友人の“秘密”|粘着マウント女友達から解放された話

久しぶりの帰省で会った地元の友人・アケミにマウントを取られ、うんざりしているひなこ。そんな彼女は、アケミのマウントをやめさせようと話を逸らす作戦に出ますが…。

私の話は聞かないの?

コーヒー 喫茶 手元

「私は相変わらず会社員なんだけど、最近は資格の勉強で忙しくてさ。なかなか自分の時間が取れないんだよね」

これは、アケミの自慢からうまく逃れるための、小さな逃避行動でした。少しでも自分の話に耳を傾けてもらえれば、彼女の自慢話も途切れるだろう、そう思っていました。しかし、私の期待はあっさりと裏切られました。アケミは私の言葉を遮り、冷たい目で私を見つめました。

「資格の勉強?それって医療の資格みたいに年収につながる?資格なんて取ったところで、旦那さんの稼ぎには敵わないんじゃないの?」

彼女のその言葉は、私の心を深く刺しました。自分の努力を、まるで無価値なものだと切り捨てるような、その冷たい声。私は、怒りを通り越して呆れてしまいました。アケミにとって、自分の話以外はすべて「不幸自慢」に聞こえるようです。

「なんなの?その不幸自慢。せっかくの食事なんだから、もっと楽しい話しようよ~。

ねえ、次はお金持ちの奥様たちが集まるランチ会に一緒に行かない?もちろん、参加費はちょっと高めだけど、旦那さんにおねだりすればなんとかなるんじゃない?ひなこも参加したら世界が広がるよ。ちょっと周りの会話のレベルが高すぎるかもしれないけどさ」

アケミの知らない私

妻 後ろ姿 エプロン

彼女の言葉の端々には「私(ひなこ)が経済的に困窮している」という勝手な思い込みが透けて見えました。

私は思わず、テーブルの下で握り拳を作りました。アケミは常に自分の話ばかりで、私が何かを話そうとしても、その言葉は彼女の耳を素通りしていく。ないがしろにされていることに怒りがこみ上げます。

でも、アケミには勘違いしていることがありました。

実は、私は都会で誰もが知る大企業勤務。その年収はアケミの夫と同じ、いや、少し上回るくらいはあると思います。私が職場恋愛の末に結婚した夫の和也は、同じ会社の役員。当然、その年収は私より遥かに高いんです。

アケミは、私が結婚したことしか知りませんし、私や夫の年収も知りません。自分の話ばかりするから、聞く機会がないだけなのですが。

「ひなこさ、相変わらず働きっぱなしなんだ。可哀想に。夫の稼ぎだけじゃ生活できないと、働くしかないもんね」

アケミは、なぜかそう思い込んでいるようでした。そして、その勘違いを基に、私を哀れんでいたのです。彼女のその言葉を聞いて、私はもう何も言わないことに決めました。

今更、本当のことを話しても、面倒なことになるだけ。彼女の顔が、驚きから嫉妬へと変わっていく様を想像すると、疲れてしまいました。
もう、このまま黙っておこうと、私はひそかに決意していました―――。

配信元: ママリ

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