夜空を焦がす火祭り【福島】圧巻の須賀川松明あかし

夜空を焦がす火祭り【福島】圧巻の須賀川松明あかし

何度も味わう感動の波

中学生の松明行列

午後になるといよいよ松明の登場です。これは市内の中学生が骨組みの材料となる竹や中に詰める萱(かや)の刈り出しから組み立て、ゴザの巻き上げなど半年かけて作成したもの。巨大な松明を、力を合わせて人力で運ぶ姿は感慨深く見守ってしまいます。

小さな手に灯る小松明

17時を過ぎると団体小松明行列、続いて一般参加の小松明行列が練り歩きます。陽が落ちて暗闇に包まれる中、神妙な面持ちで小さな松明を手に坂を登る面々が続きます。

この松明あかしは、地域の結束や伝統文化の継承の雰囲気も濃いようで、地元の企業や中学校、町内会をあげて参加されています。この時間帯になると、観客も増え五老山への入山もすでに規制されていました。

男衆による松明の立ち上げ

五老山に到着した高さ10m、重さ3tもの松明を、1時間近くかけて、すべて人力で少しずつ立ち上げていく様は手に汗握る迫力で、見ている観客ともども、いつしか一体感に包まれてゆくのです。今の時代であればクレーンを使い、あっという間に立ち上げられるものを、敢えて人力にこだわり、呼吸を合わせ、命の危険と隣り合わせの行事に取り組む様子は一つのドラマを見ているようで胸が熱くなります。

それは「松明あかしを見るなら、立ち上げるところから見てほしい。感動するよ。」と、事前にアドバイスを下さったスタッフの誇らしげな表情にも表れていたように思います。残念ながら2025年の立ち上げは人員不足により休止となりました。

空をも焦がす松明あかし

松明太鼓演奏

18時を過ぎると五老山の麓で松明太鼓の演奏も始まり、松明点火に向けて雰囲気が一気に盛り上がってまいります。18時半を過ぎると二階堂神社から奉受された御神火(ごじんか)が、順次松明に点火されてゆきます。

着火の瞬間

一番初めは、先ほどまで立ち上げを見守っていた大松明に地元有志が梯子も使わず、手と足を使って自力で登り点火します。固唾を呑んで見守っていた観客から、大きな歓声と拍手が送られます。

2024年の松明は総数21本、無数の巨大松明が、次々と炎に包まれてゆく迫力は、実際に見た者しか味わえない感動です。じわじわと燃える松明は、夜空を赤々と染め、遠くから見ればおそらく山が燃えているように見えることでしょう。

松明あかしを楽しむ際のアドバイス

服装について

年々、秋が短くなり暖かい日も多くなっている昨今、晩秋の須賀川市も同じと考えて良いのですが、朝晩は気温差があります。2024年の開催日は、日中は14℃で、ブラウスやシャツにセーター程度で過ごせましたが、夕方16時すぎるとぐっと冷え込み、夜間には10℃を下回り厚手のジャケットにマフラーや手袋も重宝しました。

おもてなし会場

松明に点火されると歩き出しますし、炎や人並みの熱気もあるので寒さは感じなくなりますが、点火されるまでの数時間の待ち時間は寒さが堪えました。また風の強弱によっては、火の粉が飛んでくることも考えられるので、防炎対策の服装ができれば万全ですね。靴は、山と言っても公園内の整備されている丘なので、履きなれた靴で問題ないと思います。ただ、坂道や階段があり、松明の消火用に消火ホースも運び込まれているため、夜道で濡れている場所もあります。また大変な混雑で、足を踏まれることも多々ありますので、それらを考慮した履物がおすすめです。

飲食について

松明が運び入れられ、夕方になると山の麓も長蛇の列となり入山規制も始まります。飲食できるような状態ではないので、飲食は事前に済ませておくか、終了してからになります。飲食スポットは、五老山の麓にある芝生広場でキッチンカーなどのフードコートが設営されていますし、町中ならカフェや蕎麦店などもありますが軒数としては少なめです。夜店も出店されていて大変盛り上がりますが、終盤になると長蛇の列になるので早めの購入がカギですね。

トイレについて

須賀川市役所

町中でのトイレスポットは、市役所や市民交流センター、飲食店、イベント広場などを利用できますが、松明あかし会場の五老山周辺にも2,3か所設置されていました。ただし、夕方を過ぎると大変な混雑な上に一方通行規制もあり、一度列から抜け出すと元の場所に戻るのは困難な状態なので、お気を付けください。

松明あかしの見学

山から見下ろした風景

五老山内に入山すると座る場所はなく、立って点火を待つようになります。五老山内は安全確保のため、一方通行となっています。点火後の形態としては、混雑を緩和するためウォークスルー方式が取り入れられ、三脚の使用も禁止です。17時を過ぎるころには、入山規制や周辺道路も閉鎖され、人の波で思うように歩けない状況なので、お子様連れの場合は決して手を離さないようお気を付けください。

配信元: トリップノート

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トリップノート

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