「インフルエンザの予防法」はご存知ですか?【医師監修】

「インフルエンザの予防法」はご存知ですか?【医師監修】

誰もが一度は感染したことのあるインフルエンザですが、うつる確率はどれくらいか気になる方もいるのではないでしょうか。

インフルエンザは風邪と症状が似ていますが、風邪より重症化するリスクも高く、感染率も高いため予防は大切です。

感染率が高い分、家族が感染した場合どのように対処すればよいのか悩む方もいるでしょう。そこで本記事では、インフルエンザの予防法などを解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「インフルエンザがうつる確率」はどのくらい?感染する期間も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

眞鍋 憲正

監修医師:
眞鍋 憲正(医師)

信州大学医学部卒業。信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学教室博士課程修了。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会健康スポーツ医。専門は整形外科、スポーツ整形外科、総合内科、救急科、疫学、スポーツ障害。

インフルエンザの予防や家族間の予防対策

インフルエンザウイルス

インフルエンザを予防する方法を教えてください。

インフルエンザの感染を予防するためには、原因となるウイルスを体内に侵入させないことが重要です。また自分だけでなく周りの方にうつさないように意識しましょう。
外出先から帰った後や食事前にはうがい手洗いを心がけ、予防することが大切です。ウイルスは石けんで効果的に除去できます。手洗いのときは装飾品を外し爪のなかや指の間まで丁寧に洗いましょう。
また、できるだけ人混みを避けることや室内にいる場合もしっかりと換気することが大切です。室内は適切な室温や湿度を保つようにしましょう。生活習慣には気を付け、きちんとした健康管理を意識してください。
免疫力を上げる生活習慣は以下のとおりです。

食事(ビタミンミネラルが豊富な食事を1日3食規則正しく)

環境(室温20度前後・湿度50~60%)

睡眠(6~7時間程の十分な睡眠をとる)

服装(着脱のしやすい物で温度調節する)

運動(適度な運動で体力づくり)

ストレスの緩和(音楽鑑賞・日光浴・入浴・マッサージなど)

以上のことに注意すれば、免疫力を上げやすくなるでしょう。感染してもインフルエンザに対抗できる強い体作りができます。

家族間の予防対策を教えてください。

家族が感染した場合、室内でもマスクをしてこまめにうがい手洗いをしましょう。基本的な予防法と変わりはありませんが、いつも以上に徹底することが大切です。また、感染者と生活スペースや使用するものを分けて使うと感染リスクが下げられます。
食器やタオルなどウイルスが付着しやすいものは別々に使うことが大切です。使い捨てのものを利用するのがおすすめです。隔離が難しい場合でもできるだけ近距離での会話は避け、飛沫や接触には注意しましょう。
洗面所やトイレなどの共有スペースはアルコール消毒するなどしてウイルスの増殖を避けることが重要です。ウイルスは乾燥した環境で増殖します。換気だけでなく一定の湿度が保たれた環境をつくることも効果的です。

ワクチンはいつ頃接種すればよいですか?

インフルエンザは日本では12月~4月頃に流行するため12月中旬までにはワクチン接種をしておくとよいでしょう。インフルエンザワクチンの効果は約5ヵ月です。1~2週間で抗体ができ始め1ヵ月をピークに3~4ヵ月かけて減っていきます。インフルエンザに感染したことのある大人は、1回の予防接種でも十分に抗体がつくられるでしょう。
しかし13歳未満の子どもや感染したことのない方は2回の予防接種が推奨されます。インフルエンザワクチンを予防接種すると赤みや腫れを起こすことがあるかもしれません。人によっては発熱したり全身の倦怠感を感じたりすることもあるでしょう。
しかし大抵の場合、3~5日で消失します。長く続くときは医療機関に相談しましょう。なかにはアレルギーを起こす方もいるためインフルエンザワクチンの予防接種後は経過観察が重要です。また、稀に重い副反応を起こす方もいます。重い副反応は以下のとおりです。

ギランバレー症候群

急性脳症

急性脊髄炎

けいれん発作

喘息発作など

インフルエンザワクチンの予防接種をする際はリスクを知るためにも医師の説明をきちんと確認しておきましょう。

編集部まとめ

マスク女性
インフルエンザの感染率は約10%といわれています。10人に1人が感染するリスクの高い病気です。そのため身近な家族が感染するとどう対処すればよいか悩む方も少なくないでしょう。

インフルエンザに感染しないためには、感染経路を断つことが重要です。もし同居している方が感染した場合は予防法を試してみましょう。

それだけでも感染するリスクは下げられます。また、感染したときだけでなく普段から予防を意識しましょう。

きちんとした生活習慣で免疫力を上げておけば、感染したとしても軽症で済み、早く回復する可能性が高くなります。さらにインフルエンザワクチンの予防接種も有効な手段です。

流行する1ヵ月前には予防接種の準備をしておきましょう。一人ひとりが意識することで、自分だけでなく周りの方の感染を防ぐことにもつながります。

参考文献

インフルエンザの見分け分

令和5年度インフルエンザQ&A(厚生労働省)

インフルエンザワクチン(季節性)(厚生労働省)

インフルエンザ(季節性)対策(内閣官房内閣広報室)

配信元: Medical DOC

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