同病者との交流や多くの人からの支えが力の源
編集部
どなたかに相談などされましたか?
たまよさん
家族や友人、難病支援センターのスタッフさんや難病ピアサロン(難病を抱える患者やその家族が、同じ経験を持つほかの人と交流し、情報交換や悩みを共有できる場)に参加されている経験者さん、関わってくださっている医療者の人たちに何度も相談に乗ってもらいました。この時期は本当につらかったです。経験者さんと直接お話できたことがとてもためになりました。
編集部
発症前と発症後の生活の変化を教えてください。
たまよさん
発症前は仕事人間で、毎日の残業は当たり前でしたが、病気になってからは自分の体調を一番に考えるようになりました。仕事は好きですが、仕事を受ける前に「この仕事を受けても、体調面は大丈夫だろうか?」とイメージするようになりました。休日は自宅でゴロゴロしたり、家族や友人との食事や旅行を楽しんだりしています。できるだけ「今したいこと、今できること」を楽しむようにしています。今までは白黒はっきりさせたい性格だったのですが、病気発症後は白黒はっきりできないことを多く経験し、グレーな状況も許せるようになったと思います。
編集部
発症から現在までの心の支えは何ですか?
たまよさん
家族や友人ですね。両親には、身体的にも精神的にもとても支えてもらっています。また、主治医やリハビリテーションの先生、難病支援センターのスタッフさんたち、経験者の人たちにも支えられています。
編集部
同じ病気を経験している人との交流は力強いですね。
たまよさん
皮膚筋炎は患者数が少ないので、同じような病気の人とお話できることはとても貴重です。副作用への対応方法や日常生活での困りごとを話し合い、工夫や経験を教え合うことなどをしています。「もうだめだ」と思っても、そこで話し合うことで解決策が見つかることも多いです。それ以上に、楽しくおしゃべりして共感し合え、「明日からも頑張ろう」と活力がもらえます。
編集部
現在の体調や生活はどうですか?
たまよさん
ステロイドの副作用に悩まされながらも、現状維持を目標に生活しています。少しきついと思ったら休息をとるようにして、大好きな仕事をしながらの生活を楽しんでいます。筋力の低下でリハビリテーションに通っているのですが、先生とおしゃべりするのが大好きです。復職前には、いろいろ相談に乗ってもらいました。「一緒に頑張りましょうね」と声をかけてくださり、「一人じゃない」と思えたことが復職につながりました。身体の状態をみてもらうだけでなく、病気の状況や悩み、その日の出来事を聞いてもらっています。
編集部
医療従事者に期待することはありますか?
たまよさん
皮膚筋炎は患者数が少ないため、病気や治療、生活や仕事に関して情報を得られにくい状況にあります。入院中はそばに医療者がいるのですぐに相談できますが、退院後はそうもいきません。どこに相談すればよいのか相談窓口を教えてもらえるととても助かります。また、なかなか進まないのかなと思いますが、ステロイド薬以外の治療薬の開発を切に願っています。
編集部
最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
たまよさん
まずは皮膚筋炎という病気を知ってほしいです。この病気に完治はなく、一生付き合っていく必要がありますが、支えてくれる人はたくさんいます。困っていることがあれば声に出してみてください。一緒に頑張りましょう。
編集部まとめ
たまよさんの体験談から、「皮膚筋炎」という難病について知ることができました。治療による様々な副作用に悩まされながらも、現在も看護師として活躍されているたまよさんの原動力のひとつは、たくさんの人の支えだと感じました。そして、それは「困っていることがあれば声に出す」という行動をした結果だと思います。誰かに相談することで、乗り越えられることがきっとあるはずです。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。
記事監修医師:
田島 実紅(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。

