「不整脈の予防法」はご存知ですか?医師が解説!

「不整脈の予防法」はご存知ですか?医師が解説!

不整脈の予防法とは?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「不整脈の症状」はご存知ですか?初期症状・セルフチェック法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

丸山 潤

監修医師:
丸山 潤(医師)

群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

「不整脈」とは?

不整脈とは、心臓の脈拍が正常とは異なるリズムになっている状態です。
不整脈には、脈が飛ぶほか、脈が1分間に50回以下でゆっくり打つ徐脈、1分間に100回以上脈を打つ頻脈があります。
めまい、動悸、息切れなどの症状が現れ、重症の場合は突然死に至ることもあります。

また、脈が飛ぶ状態の代表例として期外収縮があり、これは不整脈で受診される方の約9割を占めるといわれています。
期外収縮は年齢とともに見られる生理的な不整脈であることが多く、健康な人にも起こります。
経過観察で良い場合が多いですが、症状の強さや頻度によっては治療が必要となることもあります。

不整脈の中には緊急性がなく放置しても問題のないものがある一方、命に関わる不整脈もあります。
以下に代表的な症状や日常で気を付けるべきことなどを解説していきます。

不整脈の予防法

ストレスを溜めない

ストレスは自律神経を乱し、心臓に負担がかかり不整脈を引き起こす可能性があります。
ストレスの解消法は人それぞれですが、暴飲暴食やアルコールなどでストレスを紛らわせる行為は更に健康状態を悪化させるおそれがありますので控えましょう。

十分な睡眠をとる

睡眠の不足も自律神経の乱れを招きます。
睡眠不足になると、交感神経が活性化しやすくなり、心拍や血圧が高くなって不整脈に至る可能性が高まります。
1日の睡眠時間は7~8時間が理想的です。併せて、睡眠の質を保つために就寝前にはパソコンやスマートフォンの画面から発せられるブルーライトを避けることや、睡眠時に明かりを落とすことがおすすめです。

地中海食を取り入れる

地中海食と呼ばれる食事が、不整脈の予防に効果的と言われています。
具体的には魚や緑黄色野菜、豆類を多く摂り、油を用いる際はオリーブオイルがおすすめです。
これらの食材はビタミン、マグネシウム、オメガ3多価不飽和脂肪酸を多く含み、不整脈の予防や再発防止が期待できます。
なお、マグネシウムの摂り過ぎは腎臓に負担をかけるため、腎臓に持病のある方などは注意が必要です。
薬やサプリメントで補う場合は医師に相談しましょう。

適度な運動を行う

不整脈の予防に適度な運動は効果があるとされています。運動によって心臓の筋肉が強化され、血流が改善されるため、心臓の健康全般が向上します。また、適度な運動はストレス解消になる他、体重管理にも役立ち、高血圧、糖尿病、高脂血症などの心臓に悪影響を及ぼす可能性のある疾患のリスクも減らすことができます。
ただし、重要なのは「適度な」運動であるということです。過度な運動は逆に心臓に負担をかけ、不整脈を引き起こす可能性もあるため、自分に合った運動量と強度を見極めることが重要です。
心疾患の指摘をされていない方であれば30分ほどの有酸素運動がおすすめです。心疾患の治療中の方の場合はかかりつけの先生と相談し運動量を検討しましょう。

飲酒や喫煙を控える

飲酒、喫煙は不整脈のリスクを高めます。
過度の飲酒は心拍や血圧を上昇させ、喫煙の際に体内に取り込まれるニコチンは血管を収縮させ、血圧を上昇させます。
どちらも心臓に負担がかかり、不整脈を誘発する可能性があります。特に、不整脈の一種である心房細動は飲酒、喫煙の影響が大きいとされています。
禁酒・禁煙がベストですが、完全に断つことが難しければ、量を減らす、間隔を空けるなど工夫してみてください。

配信元: Medical DOC

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