デスモイド腫瘍という病気をご存じですか。あまり耳馴染みのない病気かもしれません。
ただ腫瘍と聞くと漠然と怖いイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。
デスモイド腫瘍は比較的20代~50代くらいの若い世代で多く発症しますが、日本国内でも患者数が少ない希少がんのひとつです。
今回は予後に関して解説していきます。デスモイド腫瘍について、気になる症状があった方は受診の参考になさってください。
※この記事はメディカルドックにて『「「デスモイド腫瘍」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
デスモイド腫瘍の予後について

デスモイド腫瘍の生存率(余命)はどれくらいですか?
デスモイド腫瘍は悪性のものが少ない腫瘍ですので、生存率は高いです。手術が必要な悪性のものでも、早期発見後に切除などの治療を行うことで5年生存率は90%以上になります。ですが、腫瘍が大きくまわりの臓器にがんが広がっていたり、再発したりすると生存率は低くなります。これらは、もちろんそれぞれ個人の症状や進行状況により異なりますので、専門の医師の正しい診断と治療が重要です。
治療後、再発する可能性はどれくらいありますか?
デスモイド腫瘍の再発率は、手術や薬物療法など治療法によって異なります。一般的に手術をした後の再発率は低く、約5%〜10%とされています。また手術後は、定期的に検査を行うことが最も重要です。検査を行うことにより、再発の早期発見から治療を行えますので、万が一再発した場合も予後を改善することができるでしょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
デスモイド腫瘍は希少がんのため、病院に行き診断名が付くと驚き怖くなってしまう方も多いのはないでしょうか。デスモイド腫瘍は良性の腫瘍も多くあり、致死率もそう高くありません。ですが、放っておいても大丈夫というものではありませんので、何かいつもと違う体の変化を見つけたらぜひ病院を受診してみてください。
編集部まとめ

今回は、デスモイド腫瘍について解説を見ていきました。希少がんのデスモイド腫瘍で、病名を知っている方はまだ少ないかもしれません。
それゆえ診断されて不安に思う方へ、少しでも参考になっていれば嬉しいです。
また、デスモイド腫瘍は切除した場合とそうでない場合の再発率はあまり変わらないことが判明しています。
全体的な患者の内、約半数ほどが無治療でも進行しないケースも報告されており、診断された際は治療の前に経過観察を行う場合もあります。
しかしデスモイド腫瘍と診断された際は自分で判断せず、必ず医師の話を聞いて適切な治療を受けるようにしてください。
デスモイド腫瘍もやはり早期発見が何より重要です。
健康診断などの定期健診を忘れず受けるようにし、将来への不安を少しでも取り除きましょう。
参考文献
デスモイド腫瘍(がん情報サービス)
デスモイド腫瘍(国立がん研究センター 希少がんセンター)

