友情を断ち切れず、自然派思想を押し付ける聡子の信念に耐える日々「現代の薬は不要」「シャンプーは化学物質」という聡子の極端な投稿を見るたびに、つらい気持ちを抑えきれなくなるさやかは…。
友人の接し方に戸惑う
貴重な学生時代からの友人を大切にしたかった私が、これだけ違和感だらけの状況になっても聡子のフォローを外すことができなかった。同じ高校で笑い合った仲だったし、大学で疎遠になっていたとはいえ、また繋がれた縁を断ち切ってしまうのは気が引けたのです。
それに、聡子は私を傷つけたいのではなく「るいのため」を思って話してくれている。悪意がないのはよいことなのかもしれないけれど、だからこそ、私も強く拒絶できません。それが、この状況をより複雑にしていました。
「聡子、子ども生まれてから、なんか変になっちゃった…」
誰にも言えない心の声として、夫の満にだけこぼしたことがある。
夫は「人は変わることがあるんだから、自分は自分が正しいと思う道を行けばいいんだよ」と言いますが、やることなすこと批判される状態で、堂々とするのはなかなか難しく感じました。
「普通の育児」は、怠けている?
思想が強くなり始めたと感じてから数か月後、聡子の投稿は、もはや違和感だらけ。
「現代の薬は飲ませない。子どもの病気は自然の力だけで治せる」
「市販のシャンプーは全部化学物質だから使わない。私は自然のものだけで洗う」
ある時なんて、るいが風邪をひいた時に病院に連れて行き、お薬をもらったことを投稿したら「薬で症状を抑えるなんて、るいくんの自然治癒力を殺すつもり?」とまで言われた。
聡子がどんな思想で子育てをしていても私は批判なんてしていないのに、なぜ聡子は一方的に私を批判して平気な顔をしているんだろう。

