子どもを望む人を見下す同僚
えみこは、自分が子どもを持たない選択をしたことを誇らしく思っているのか、子どもを持つことを望む人間を一段下に見ているかのように話すことが多い人です。
「子どもがいるとさ、自分たちの行動が制限されて窮屈だよね」
「私は自分の時間を何よりも大切にしたい」
「子どもに縛られる人生なんて、まっぴらごめんだよ」
その信念を貫くために、えみこの夫は義両親に「自分たちは子どもをつくるつもりはない」と宣言したらしい。きっと揺るがない決意があるんだと思います。
えみこは私が妊娠したことを知ったらどう思うのか、どんなことを言われるか考えるとなんだか怖くなりました。私のささやかな幸福を、土足で踏みにじられるんじゃないかって。
単なる同僚への妊娠報告だけど、職場で毎日会う人に対してこういう報告をするのはとても勇気がいることだと、この時私は初めて知りました。
あとがき:静かなる春の訪れと、冷たい眼差し
この物語は、人生の大きな喜びと、それに影を落とす他者からの嫉妬や悪意を描くストーリーです。結婚と妊娠という人生の春を迎えた主人公ゆきえと、対照的な価値観を持つえみことの対立構造を明確にしました。
特に、えみこの「子どもはいらない」という強い信念が、ゆきえの幸せをどう脅かすのか、その予感と緊張感を演出しています。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

