近視などの治療選択肢として、「ICL」や「レーシック」という方法が挙げられます。一体、どのような違いがあるのかご存じですか? 今回はICLとレーシックの安全性や費用の違いについて、「水天宮藤田眼科」の藤田先生に解説していただきました。

監修医師:
藤田 浩司(水天宮藤田眼科)
獨協医科大学卒業。東京医科大学眼科入局。その後、船橋市立医療センター眼科医長、日本通運健康保険組合東京病院眼科部長などを務める。2000年、東京都中央区に「水天宮藤田眼科」を開院。医学博士。日本眼科学会認定眼科専門医、公益社団法人日本眼科医会代議員。日本眼科手術学会、日本白内障学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本コンタクトレンズ学会、日本眼感染症学会。
編集部
ICL治療とレーシック治療は、どちらが安全なのですか?
藤田先生
角膜を削らなくて済み、ハロー・グレアなどが出現しなかったり、ドライアイになりにくかったり、合併症が少ない点から言えば、レーシックよりもICLが優れていると考えていいと思います。
編集部
ICLという治療の立ち位置は、世界的に見るとどうなのでしょうか?
藤田先生
日本では、ICLよりレーシックの方が知られているかもしれません。しかし、世界的に見るとICLは80カ国で承認されており、約150万人の人が治療を受けています。また、安全性も担保されており、欧米ではレーシックよりもICLの方がメジャーになっています。
編集部
ICLは、どのような人に適していますか?
藤田先生
強度の近視や乱視に悩んでいる人や、左右の視力が大きく異なる人は、メガネやコンタクトレンズでの矯正が難しくなるため、ICLが向いているかもしれません。また、ドライアイがひどい人や、アレルギーが強くてコンタクトレンズができない人にもICLは適しています。そのほか、マリンスポーツをおこなっている人もICLを受けることで、快適にスポーツが楽しめると思います。
編集部
ICLに年齢制限はあるのですか?
藤田先生
白内障や老眼などの加齢による目の疾患を発症すると視力が不安定になるため、できれば45歳前に治療を受けることを推奨しています。ただし、医療機関によって年齢の上限は異なるので、興味があれば医師に相談してみましょう。
編集部
保険適用ですか?
藤田先生
いいえ、ICLはレーシック同様、保険適用外です。費用は使用するレンズや乱視があるかなどによっても異なりますが、両目で60〜80万円程度です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
藤田先生
ICLは副作用が少なく、安全な屈折矯正手術として確立されています。興味がれば、ぜひ眼科へご相談ください。ただし最近では、ICLをおこなう医療機関も増加しているため、患者側がクリニックを見極めることが大切です。治療を検討する際は、安全面を考慮して、厚生労働省認可のコンタクトレンズを使用しているクリニックがおすすめです。
※この記事はMedical DOCにて<「ICL」と「レーシック」の違いはご存じですか? それぞれのメリット・デメリットを眼科医が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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