「ギャンブル依存症の3つの原因」はご存知ですか?【医師監修】

「ギャンブル依存症の3つの原因」はご存知ですか?【医師監修】

依存症は単なる習慣ではなく、深刻な精神的・社会的問題を引き起こします。ギャンブル依存症の原因についてまとめました。早期発見と適切なサポートが回復への鍵です。

大迫 鑑顕

監修医師:
大迫 鑑顕(医師)

千葉大学医学部卒業 。千葉大学医学部附属病院精神神経科、袖ヶ浦さつき台病院心療内科・精神科、総合病院国保旭中央病院神経精神科、国際医療福祉大学医学部精神医学教室、成田病院精神科助教、千葉大学大学院医学研究院精神医学教室特任助教(兼任)、Bellvitge University Hospital(Barcelona, Spain)。主な研究領域は 精神医学(摂食障害、せん妄)。

6. ギャンブル依存症の原因

6-1. 生物学的要因

ギャンブル行動を繰り返すと、脳内報酬系(側坐核・腹側被蓋野)のドーパミン分泌が増加し、快感や興奮を引き起こします。この刺激を繰り返し求めることで、自己制御が困難な依存状態に陥るのです。
また、前頭前野(意思決定や抑制機能を司る脳領域)の機能低下も報告されており、「やめた方がいい」と理性でわかっていても止められない状態が生じます。

6-2. 心理的要因

・ストレス対処の手段としてのギャンブル
職場や家庭でのストレスを発散するため、ギャンブルに依存するケースがあります。

・自己評価の低さ
勝つことで一時的に「自分は価値がある」と感じられ、それを求めて繰り返す構造です。

・刺激・スリルへの欲求
退屈や空虚感を埋めるために、ギャンブルの興奮を追い求める傾向もあります。

6-3. 社会的要因

・アクセスのしやすさ:パチンコ・スロット・公営ギャンブル・オンラインカジノなど、ギャンブル環境が日常に広く存在している。

・文化的要因:勝負運や運試しといった価値観が根強く、ギャンブルを肯定的に捉える土壌がある。

・家族歴:親がギャンブル依存だった家庭では、同様の行動パターンを学習しやすいとされています。

参考文献

依存症対策(厚生労働省)

ギャンブル障害及びギャンブル関連問題実態調査(厚生労働省)

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配信元: Medical DOC

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