
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、BL WEBマガジン「&.Emo(アンドエモ)」に掲載中の『紺碧にポラリス』(海王社刊)を紹介する。&.Emo編集部公式アカウントが、9月26日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、2000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、『ぼくの狂人くん』(ふゅーじょんぷろだくと刊)で知られるいとだ旬太さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
■人魚の幼馴染との関係に悩む唯

唯には、くじらという名前の幼馴染がいる。人魚であるくじらに対し、何かと世話を焼く唯だったが、くじらとの関係に複雑な気持ちを抱いていた。
くじらの声は唯以外には聞こえず、そのことに喜びを感じる唯。一方で、自分にだけ依存してほしいという感情と、今のままでは良くないという感情の間で葛藤していた。しかし、くじらも唯に対し強い想いを抱いており…。
本作を読んだ人たちからは、「2人の絆を感じる」「甘酸っぱい」「不思議と懐かしさを感じる」「穏やかで優しい」など、多くのコメントが寄せられている。
[HEAD]作者・いとだ旬太さん「いい意味で裏切れれば…と展開していきました」[/HEAD]

――本作のお話の発想の源はどこだったのでしょうか?
子どもの頃の音楽の授業で周波数の話が出て、そこでいわゆる『52ヘルツの鯨』の概要を知りました。その時割と当然のように「じゃあこの声を聞く生き物は今はまだ生まれてなくて、これから生まれてくるってことか」と考えたのを今でも覚えています。実際はどこにもいないかもしれないし、過去にも未来にもいないのかもしれないのですが…。本作は「もしその声を聞くことができるのがたった1人の人間だったら」というところから組み立てていきました。
――本作では、唯とくじらの関係が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
私の漫画を好き!と言ってくださる読者さんは結構ダークなもの、サスペンス的なものを好んでくださっているのかな?と感じていましたので、1話では「お刺身にして」というセリフを入れることで「ああ、いつもの感じか」と思っていただき、2話以降はそれをいい意味で裏切れれば…と展開していきました。このくらいの歳の頃ってなにを考えていただろう、物事への考えはどれくらい及んでいただろうと必死に思い返しながら、できる限り思春期の心情をなぞりましたのでモノローグなどにも注目していただければ…と思います。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
1話の冒頭でくじらがバスタブから上がるシーンは、1話で読者さんの心をパッと掴めれば…と思い気合を入れて描いた記憶があります。また、最終話のラストページはタイトルを決めたときから考えていたコマなので、実は一番のお気に入りです。
――ストーリーを考えるうえで気をつけていることや意識していることなどについてお教えください。
最近やっと起承転結や王道、トレンド、求められている展開などを意識できるようになりました。実際にはできていなくても、これは商業ラインに載るものだと意識する!ということだけは忘れずになるべく読みやすく、ごちゃつかせず、自分の表現力を贔屓目に見ず、難しい心情を描ければカッコいい!という理由だけで難解なものを描こうとしない!という感じです。お仕事をいただき始めたころはとにかく、自分の描きたいものだけを描いて仕上げる!でいっぱいいっぱいでしたので…。
――いとだ旬太さんの作品は、心にグッとくる切なさの表現に目を見張るものがあります。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
作画のこだわりと言うほどでもないのですが、例えば「皮肉を言いたいけど黙っている」「嬉しいんだかムカついたんだか自分でもわからない」「内心はどうあれとにかくなんとか笑おうとしており、その笑顔がやけにうまい」など、「言葉にすると冗長になるレベルのややこしい内心だけど、顔を見ればなんとなく感情はわかる」という表情を描くときが1番楽しく、また手間をかけています。
――今後の展望や目標をお教えください。
月並みなのですが、やはりBLアワードやメディア化などは憧れです。憧れは憧れとして、ひたすらコツコツ安定して、自分1人食べさせていければと思っております。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
作品を読んでいただけること、本当にありがたく思っております。ご感想のレビューやメッセージ、贈り物なども、いつも大変勇気づけられております!いただくとああ〜生きててよかった〜と思います。自己肯定感が低いので…。笑これからも細々描いてまいりますので、お時間あるときにでも、末長く読んでいただけますと幸いです。

