鼻づまりに悩まされている人のなかで、いつも「片方だけが詰まっている」という人はいませんか? 特定の側だけ詰まっているという場合には、風邪や鼻炎とは異なる原因が考えられます。目黒本町耳鼻咽喉科の小松﨑先生に詳しく教えてもらいました。

監修医師:
小松﨑 敏光(目黒本町耳鼻咽喉科)
昭和医科大学医学部卒業、昭和医科大学大学院医学研究科修了。その後、昭和医科大学病院、東京都立荏原病院、昭和医科大学横浜市北部病院で経験を積む。2024年、東京都目黒区に「目黒本町耳鼻咽喉科」を開院。医学博士。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医・指導医・認定補聴器相談医、日本めまい平衡医学会めまい相談医。
編集部
片方の鼻だけ詰まることがあるのは、なぜですか?
小松﨑先生
鼻づまりはとても一般的な症状で、風邪をひいたり、花粉が飛んだりする時期に鼻が詰まることは珍しくありません。しかし、そのようなときには大抵の場合、両鼻同時に詰まったり、片側ずつ交互に詰まったりするものです。もし、特定のどちらかだけがいつも詰まっているなら、ほかの原因が考えられます。
編集部
片側ずつ、交互に詰まることもあるのですか?
小松﨑先生
はい、もともと人間の鼻にはネーザルサイクルという仕組みが備わっています。これは、2〜3時間ごとに左右の鼻の詰まりが変化するというもの。つまり健康な人であっても、「さっきまで右が詰まっていたのに、しばらくしたら左の方が詰まってしまった」と感じるのです。
編集部
なぜ、そのような仕組みが備わっているのですか?
小松﨑先生
鼻の粘膜は、肥厚と収縮を繰り返しながら呼吸を行い、空気を出し入れしています。しかし、鼻の穴は外気にさらされ続けると痛んでしまいます。そのため片側をわざと腫れさせて通りを悪くし、一時的に休ませることで呼吸が継続できるようになっているのです。機序はまだ詳しくわかっていませんが、おそらく自律神経が関与しているのではないかと考えられています。
編集部
では、片方だけ鼻が詰まるというのは、異常ではないのですね。
小松﨑先生
2~3時間の周期で詰まっている側が入れ替わるという症状は、異常ではありません。しかし、いつも特定の側だけが詰まっているという場合には、なんらかの原因が考えられます。
※この記事はMedical DOCにて<「いつも片方だけ鼻づまり」 これ病気? 手術が必要なケースとは? 【医師に聞く】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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